五輪パラ延期 選手村のマンション引き渡し遅延 購入者が提訴へ

東京オリンピック・パラリンピックの延期によって、選手村を改修して分譲されるマンションの引き渡しが1年程度遅れることについて、購入した人たちが売り主である10の企業に対し、契約どおり再来年3月までの引き渡しを求める訴えを起こすことになりました。

東京・中央区の晴海地区では、東京大会で選手村として使われた建物を改修して、マンションが整備されることになっています。

おととしの時点で940戸が販売され、再来年3月までに購入者に引き渡される予定でした。

しかし大会の延期に伴い、東京都が選手村のために、建物を貸し出す期間を延長してほしいと売り主である企業側に申し入れ、購入者への引き渡しは1年程度、遅れる見通しとなりました。

これについて購入者のうち27人が、「大会が延期になった場合まで都に建物を提供する義務はなかった。引き渡しを遅らせないための努力も尽くしていない」と主張して、売り主である10の企業に対し、契約で定められている再来年3月までに引き渡すか、遅れによって生じる損害の賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こす方針を固めました。

購入者側の轟木博信弁護士は「引き渡しが遅れることへの補償の提案はこれまで一切ない。今、住んでいる家の売却が決まってしまった人や、家賃が余計にかかってしまう人もいて、話し合いで解決しようとしたが、納得のいく説明は得られなかった」と話しています。

一方、訴えについて企業グループの広報を担当する三井不動産は「事実を確認していないため回答を差し控える」としています。