【詳しく】大阪 ビル火災 現場で何が起きていたのか

多くの犠牲者が出た今回の大阪のビル火災。
現場では何が起きていたのでしょうか。
大阪拠点放送局の原野記者と大阪府警担当の影山記者による解説です。

現場はどのような場所?

現場は大阪の繁華街のビル。JR北新地駅からほど近い、ビルや飲食店が建ち並ぶ繁華街の一角です。

火事のあったビルは、鉄筋コンクリートの地上8階建てです。

昭和45年に建てられたビルで、火元とみられるのは4階の心療内科クリニックです。

4階のクリニックの見取り図は?

取材をもとに作った4階の心療内科クリニックの見取り図です。

向かって一番上が診察室で、下が待合室です。

真ん中の部屋は、職場に復帰するためのリハビリ「リワークプログラム」を行う場所です。

患者によりますと、この日は多くの患者が訪れるということですが、金曜日の午前中にこのプログラムが予定されていたということです。

火事の映像で映っていたビルの正面は画面下の待合室の窓と見られます。

それぞれの部屋に面した通路は1人から2人が通れるくらいの広さだということです。

建物から外に出る方法は?

エレベーターと非常階段の2つがあります。

エレベーターは待合室に面していて、非常階段はそのとなりです。

クリニックに通う患者によりますと、非常階段は扉を開けて外に面していて、人がすれ違うのが難しいほど狭いと感じたということです。

部屋の広さはおよそ93平方メートルです。

捜査関係者などによりますと25平方メートルが燃えました。

SNS投稿から分かることは?

火災は大阪の中心部で起き、多くの人がSNSに動画や画像を投稿しました。
午前10時21分。SNSに投稿された写真です。

建物の周辺に黒い煙が広がっているのが分かります。

ちょうど同じ時間帯に消防への通報が相次ぎました。
午前10時23分。

先ほどの写真と反対側。ビルの大通りに面した側から撮影された画像です。

クリニックが入っている建物の4階から真っ黒な煙が出ている様子が分かります。
「出勤時に火事を見た」として投稿されていた映像は、建物正面の下側から火事を撮影したものです。

建物の向かって左側、4階の窓の中から赤い炎が上がっている様子が分かります。

この炎が上がっている場所は、エレベーターや非常階段近くの待合室の付近とみられます。

被害の状況は?

捜査関係者によりますと、午後6時半までに24人の死亡が確認されたということです。

現在、身元の確認などを進めています。

クリニックの入り口付近が激しく燃えていて、通報からわずか30分ほどで多くの被害が出ました。

警察は現場で一気に火が回り、煙が多かった点に注目して捜査を続けています。

これまでに分かってきたことは?

警察によりますと、現場では「紙袋を持って訪れた50代から60代くらいの男が、暖房器具の近くに紙袋を置いて蹴り倒し、液体が漏れ出て燃え上がった」という目撃情報があるということです。

男は、エレベーターでクリニックを訪れ、すぐに蹴り倒したということです。

現場で助け出された人たちの多くは建物の奥の方でみつかり、損傷が激しかった入り口から遠ざかるように逃げたとみられるということです。

警察は入り口付近で火を付けたとみられることから、殺人と放火の疑いで捜査本部を設置し、捜査しています。

今後、解明すべき点は?

事件を起こしたとみられる男がなぜ、このようなことをしたのかです。

男は現場にとどまり救急隊に搬送された可能性が高いとみられますが、男に関する詳しいことはわかっていません。

捜査関係者によりますと、男は病院で治療を受けているということですが、容態はかなり危険だということです。

また、このクリニックについてトラブルがあったかどうか分かっておらず、警察は、現場検証を行うとともに、目撃した人たちから話を聞くなどして、調べることにしています。

さらに、一気に火が回り、煙が多かった点にも注目していて、男が持ち込んだ液体の特定を急いでいます。