韓国 感染拡大歯止めかからず 営業時間など 再び規制強化へ

韓国政府は、新型コロナウイルスの感染拡大と重症者の増加に歯止めがかからないことから、飲食店の営業時間を制限するなど規制を再び強化すると発表しました。

韓国の保健当局によりますと、新型コロナウイルスの新たな感染者は15日、7622人とこれまでで2番目に多くなり、重症者の数は989人と過去最多になりました。

また変異ウイルスのオミクロン株への感染は、これまでに148人確認されているということです。

感染の拡大を受けて、韓国政府は規制を再び強化することを決め、キム・ブギョム(金富謙)首相は16日午前の対策会議で具体的な内容を発表しました。

それによりますと、飲食店の営業時間を午後9時までとするほか、同居する家族を除く私的な集まりの人数を全国一律に4人までに制限するなどとしています。

これらの措置は18日から来年1月2日までとられるということで、キム首相は「現在の状況は非常に厳しい。一日も早く日常生活の回復につながるよう、政府として最善を尽くす」と強調しました。

韓国ではワクチン接種が進んだとして、11月、政府が規制緩和に乗り出したあと、感染が急拡大し、12月6日に規制の緩和を一部見直しましたが、専門家からはより強い措置が必要だという指摘が出ていました。

ムン大統領 防疫措置を再び強化 国民に陳謝

規制を再び強化することについて、ムン・ジェイン(文在寅)大統領は、報道官を通じてコメントを出し、陳謝しました。

この中で、ムン大統領は「段階的な日常の回復の過程で重症者の増加を抑制できず、病床の確保など準備が十分でなかった。防疫措置を再び強化することになり国民に対して申し訳ない」としています。

また、今回の規制強化の期間中に状況を安定させていくとしたうえで「新型コロナは予想が難しく、防疫と国民の生活とのバランスを見いだすのが簡単ではないが、政府は速やかに対応し、国民とともに忍耐をもって克服していく」と強調しています。

さらに、規制の強化によって影響を受ける自営業者などへの補償に取り組んでいくとしています。