決裁文書改ざん訴訟 国側 一転して賠償責任全面的に認め終結

財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の男性職員の妻が、国を訴えていた裁判で、国側が15日、これまでの主張を一転し、賠償請求を全面的に受け入れる手続きを取り、裁判を終わらせました。裁判を通じて「夫の死の真実を知りたい」と訴えてきた妻は「不意打ちでひきょうだ」と国側の対応を批判しています。

森友学園に関する決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した、近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54歳)の妻の雅子さんは、国に1億円余りの賠償を求める訴えを起こし、裁判を通じて改ざんに関わった当事者に、夫が追い詰められた経緯を明らかにするよう求めていました。

この裁判で国側は、これまで争う姿勢を示していましたが、雅子さん側の弁護士によりますと15日、大阪地方裁判所で開かれた非公開の協議で、一転して請求を全面的に受け入れる手続きを取ったということです。

その理由の中で「赤木さんが、強く反発した財務省からの決裁文書の改ざん指示への対応を含め、森友学園案件に係る情報公開請求への対応などに忙殺され、精神面などに過剰な負荷が継続したことで、自殺したことについて国の賠償責任を認めるのが相当だとの結論に至った」としています。

そのうえで「いたずらに裁判を長引かせるのは適切ではなく、決裁文書の改ざんという重大な行為も鑑み、請求をすべて受け入れる」としています。

これにより「夫の死の真実が知りたい」という、雅子さんの目的は十分に果たされないまま、国側が取った手続きにより裁判は突然、終わることになりました。

一方、雅子さんは財務省の佐川元理財局長に対しても、訴えを起こしていて、この審理は続いています。

赤木俊夫さんの妻 雅子さん「不意打ちでひきょうだ」

赤木雅子さんは裁判の目的は夫の死の真実を明らかにして、国の誤った対応で、夫と同じように追い詰められる公務員を出さないようにすることだと繰り返し訴え、改ざんに関わった当事者たちが法廷で証言するよう求めてきました。

裁判の請求をあえて1億円を超える金額にしたのも国側が当事者たちに証言させなくてすむように請求を認めてしまう事態を避けるためでした。

ところが国は15日、これまでの姿勢を一転して、全額の支払いを受け入れる手続きをとり、一方的に裁判を終わらせました。

雅子さんは「お金を払えばすむ問題ではありません。夫がなぜ死んだのか、なぜ死ななければいけなかったのかを明らかにするための裁判でした。財務省にひきょうなやり方で裁判を終えられてしまって、不意打ちで頭の中が真っ白になりました。真実を知りたいという思いで国と闘ってきたが、このような形で裁判が終わってしまったことが悔しく、夫にどのように報告するか悩んでいます」と言葉を詰まらせながら話していました。