最高裁 オーケーの抗告棄却 関西スーパーは運営会社と統合へ

兵庫や大阪に展開する「関西スーパーマーケット」と阪急阪神百貨店の運営会社との経営統合をめぐり、最高裁判所は手続きの差し止めを求めていた首都圏のスーパー「オーケー」の申し立てを退ける決定をしました。司法の判断が確定し、関西スーパーは運営会社と統合する方針です。

ことし10月末に開かれた関西スーパーの株主総会では、阪急阪神百貨店などを運営する「エイチ・ツー・オー リテイリング」との経営統合案がわずかな差で承認されましたが、関西スーパーを買収する意向だった「オーケー」は本来、棄権として扱うべき票が賛成として数えられたとして11月に、統合手続きの差し止めを求める仮処分を申し立てました。

神戸地方裁判所はオーケーの主張を認めて差し止めを命じましたが、大阪高等裁判所は、株主総会の決議に問題はなかったとして一転して申し立てを退けたため、オーケーが最高裁判所に抗告していました。

これについて最高裁判所第2小法廷の菅野博之裁判長は14日、抗告を退ける決定をしました。

決議は有効だとした大阪高裁の判断が確定し、関西スーパーは15日にエイチ・ツー・オーと統合する方針です。

関西スーパー「正当な判断が示された」

関西スーパーは「仮処分の申し立てに関する最終的な司法判断として、株主総会での決議が適法かつ公正に行われたという当社の主張を認めたものであり、正当な判断が示されたものと考えている」というコメントを出しました。

そのうえで「エイチ・ツー・オー リテイリング」との経営統合については、これまでの発表どおり15日に行う予定だとしています。

オーケー 買収を断念 保有株式を売却へ

オーケーは関西スーパーの買収を断念し、保有している株式を売却する考えを明らかにしました。

オーケーは最高裁判所の決定を受けて14日にコメントを発表しました。

それによりますと「このたびの判断により最終的な司法の考えが示されたと真摯(しんし)に受け止め、本裁判に訴えることはしない。また関西スーパーに対する公開買い付けの提案を再び行うこともしない」としています。

そのうえで、保有している関西スーパーの7%余りの株式については法律に基づき会社側に買い取りを求める形で売却する考えを明らかにしました。

オーケー社長“関西への出店検討”

オーケーの二宮涼太郎社長はオンラインで記者団の取材に応じ「私たちの主張が認められず関西スーパーとの経営統合がかなわないのは残念だが、互いに切さたく磨し発展していけたらいいと思う」と述べました。

そのうえで今後の対応については「関西に出店してほしいという声もいただくので、進出に当たっていろいろな選択肢を真剣に検討していきたい。時期について明確なものはないができるだけ速やかに検討する」として、関西スーパーの買収とは別な形で関西への出店を検討していく考えを明らかにしました。

異例の展開たどった これまでの司法判断

「関西スーパーマーケット」と阪急阪神百貨店の運営会社「エイチ・ツー・オー リテイリング」の経営統合の行方は、司法の場で争われる異例の展開をたどってきました。

11月9日、オーケーは関西スーパーの株主総会で本来「棄権」として扱うべき票が「賛成」として扱われたとして、統合手続きの差し止めを求めて神戸地方裁判所に仮処分を申し立てました。

申し立てを受けた神戸地裁は11月22日、オーケーの主張を認め関西スーパーとエイチ・ツー・オーの統合手続きを差し止める仮処分を出しました。

これを受けて関西スーパーは、当初12月1日に予定していた経営統合を2週間延期することを決めます。

関西スーパーは神戸地裁に異議を申し立てましたが退けられたため、11月30日、大阪高等裁判所に抗告。

すると大阪高裁は12月7日、地裁の判断を覆す形で仮処分を取り消す決定を出します。

これによって関西スーパーはエイチ・ツー・オーと統合できる状態になりました。

しかし今度はオーケーがこの決定を不服として最高裁判所の判断を求めたいとして抗告を申し立て、12月8日に高裁が抗告を認めました。

地裁と高裁が異なる判断を出したことで、めまぐるしく変わった統合の行方は最高裁に委ねられる展開となっていました。

争点は“総会で採決された集計が妥当かどうか”

今回、争点となったのは関西スーパーの臨時株主総会で採決された経営統合案の集計が妥当かどうかという点でした。

総会を中立的な立場で調べるため、裁判所から選ばれた弁護士の報告書によりますと、経営統合案は投票後の当初の集計では賛成が65.71%と可決に必要な株主の3分の2をわずかに下回っていていました。

ところが集計に時間がかかっていたことを疑問に思ったある株主が「自分の票の取り扱いはどうなっているのか」と名乗り出たことで事態は一変します。

この株主は事前に提出していた書類では統合案に「賛成」の票を投じていましたが、当日の株主総会に出席し「棄権」を意味する白票を投じていました。

この株主は書類を提出したことで投票は済んだと思い、株主総会で白票を投じたものと見られます。

申し出を受けた関西スーパーはこの株主の投票分を「棄権」ではなく「賛成」として数え直します。

その結果、賛成が66.68%となり3分の2をかろうじて上回り可決したのです。

この一連の流れについてオーケーは、すでに完了していた集計の結果があとから覆されたのは決議の方法として「違法かつ著しく不公正だ」と主張。

これに対し関西スーパーは、この株主からさきに送られた書類には議案に賛成する意思表示が示されているなど一貫して賛成していたことを踏まえており、集計方法には「何ら違法性や不公正な点はない」と主張してきました。

こうした票をどのように扱うべきなのかは、法律には明確にルールとして定められていません。

専門家の間でも「一部の株主を特別扱いすれば会社の思惑どおりに投票結果を操作できてしまう」として棄権として扱うべきだとする一方で「あくまでも株主の意思を重視するべきだ」として、賛成として扱うことに理解を示す主張もあり意見が分かれていました。