岸田首相 10万円相当の給付「政府の考え方 一両日中に示す」

衆議院予算委員会では、今年度の補正予算案の2日目の質疑が行われました。18歳以下への10万円相当の給付をめぐり、岸田総理大臣は、年内の全額現金での一括給付も容認するなどとした政府の考え方について、補正予算案の成立を待たず、一両日中に自治体に提示する考えを示しました。

日本維新の会の足立・国会議員団政務調査会長は18歳以下への10万円相当の給付をめぐり「年末や正月を前に10万円を一括で配りたいという首長が、内閣の判断が遅いためにできなかった場合、その責任は内閣にあることは当然だ」とただしました。

岸田総理大臣は「時期が遅いという指摘は謙虚に受け止めたい」と述べたうえで、年内の全額現金での一括給付も容認するなどとした政府の考え方について「補正予算案の成立を待たずに自治体に示したい。一両日中にお届けしたい。一両日中とはきょうか、あすだ」と述べました。

日本維新の会の藤田幹事長は、18歳以下への10万円相当の給付をめぐり、世帯で最も収入が多い人の年収を基準とした所得制限などについて「国民の皆さんからいちばん評判が悪いのは、不公平だということだ。年齢に対する不公平さや、世帯全体の収入が1800万円でももらえてしまうというような不公平さをどのように認識されているか」と質問しました。

岸田総理大臣は「所得制限もかけ、子育て世帯に対する支援なのでもらえない方が大勢いるが、学生に対する10万円の支給や住民税が非課税の家庭に対する支援などを組み合わせることによって、より幅広い方への支援を考えていくというのが経済対策の全体像で、1つの制度だけで全体をカバーすることはできない」と述べました。

国民民主党の玉木代表は、18歳以下への10万円相当の給付をめぐり「子どものための支援というなら所得制限を外して一律に18歳以下に対して配るということを決断してはどうか」とただしました。

岸田総理大臣は「いかに早く資金を国民に届けるかという論点もあり、児童手当の制度を活用して、制度をつくった。児童手当の制度との絡みでより困った方々に支援をしっかりと届けるという建て前もあり、所得制限を設けた。これは基本的な部分として変えることは考えていない」と述べました。

また、岸田総理大臣は、年内の全額現金での一括給付も容認したことなどについて「自治体が選べる制度を用意したので、ぜひ積極的にそれぞれの自治体の立場で制度を選択してほしい」と述べました。

共産党の赤嶺政賢氏は、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設計画の設計変更をめぐり、防衛省が対抗措置として、沖縄県による不承認の取り消しを求める審査請求を行ったことについて「またしても禁じ手を使った。岸田総理大臣は所信表明演説で、丁寧な説明と対話による信頼を強調しているが、これまでの政権のやり方と全く変わっていない」と批判しました。

岸田総理大臣は「沖縄防衛局は行政不服審査法にのっとって審査請求の手続きを行ったと承知しており、所管大臣の国土交通大臣において、法律に従って手続きが行われているところだ。政府としては、手続きをしっかり見守っていきたい」と述べました。

政府の経済対策の裏付けとなる今年度の補正予算案は、15日、衆議院予算委員会で締めくくりの質疑と採決が行われたあと、直ちに衆議院本会議でも採決が行われ、賛成多数で可決されて参議院に送られる見通しです。