コロナ患者 搬送時にカプセル状の覆い 新たな機器を開発

大阪大学の附属病院は、新型コロナウイルスの患者の搬送に使うカプセル状の覆いを付けた機器を新たに開発しました。医師が患者の表情を観察しやすくなっているということです。

大阪 吹田市にある大阪大学医学部附属病院の高度救命救急センターでは、新型コロナウイルスの患者を透明な袋で覆って搬送していますが、医師から患者の顔が見えづらく、病状の変化を観察するのが難しいことなどが課題となっていました。

このため病院では、患者の搬送に使うカプセル状の覆いを付けた機器を新たに開発し11日、報道陣らに公開しました。

開発された機器は透明の樹脂製で、医師が患者の表情を観察しやすくなっているほか、内部を陰圧にしながら、これまでより広い空間を確保したことで、患者も閉塞(へいそく)感や不安を感じにくいよう工夫されています。

さらに、搬送の準備や搬送後の消毒などにかかる時間を、1時間ほど短縮できるようになったということです。

開発にかかった500万円はインターネットのクラウドファンディングで集めたもので、大阪大学医学部附属病院の入澤太郎医師は「皆さんの協力のおかげで理想的なものを作ることができ、本当に感謝しています。新型コロナだけでなく、さまざまな感染症への対応にも活用していきたいです」と話しています。