来年度の税制改正大綱を正式決定 自民・公明両党

来年度の税制改正をめぐり、自民・公明両党は、「賃上げ税制」では、法人税から差し引く控除率を、大企業で最大30%、中小企業で最大40%に引き上げることなどを盛り込んだ来年度の税制改正大綱を正式に決定しました。

自民・公明両党は、10日午後、税制調査会長や政務調査会長らが会談し、来年度の税制改正大綱を正式に決定しました。

大綱では、賃上げに積極的な企業を支援する「賃上げ税制」について、法人税から差し引く控除率を企業の取り組み状況に応じて、大企業で最大30%、中小企業で最大40%に引き上げるとしています。一方、賃上げに消極的な大企業には、ほかの税制優遇の制度を適用しない措置も盛り込んでいます。

また、ことし年末に期限を迎える「住宅ローン減税」は、令和7年の入居分まで4年延長したうえで、現在、年末時点のローン残高の1%としている控除率を0.7%に引き下げ、控除が受けられる期間を新築住宅は13年間、中古住宅は10年間とするとしています。

さらに、新型コロナの影響を踏まえた固定資産税の負担軽減措置については、住宅地は、予定どおり今年度で終了する一方、商業地は負担増の上限を、前の年度の2.5%までとするとしています。
このほか、富裕層の金融所得への課税については、今後の課題として「総合的に検討する」としたものの、結論を得る時期は明記されませんでした。

これを受けて政府・与党は、大綱の内容を盛り込んだ、税制関連法案を来年の通常国会に提出し、成立を図ることにしています。

自民 宮沢税制調査会長「賃金上昇の可能性高くなる税制」

自民党の宮沢税制調査会長は記者会見で「岸田内閣として初めての税制改正であり、『成長と分配』や『新しい資本主義』を税制でどう具現化していくか、最初の作業だった。賃金上昇の可能性がかなり高くなる税制を仕組むことができ、大きな政策の第一歩を税制分野で支援する体制ができた」と述べました。

そのうえで「議論の期間が非常に短かったこともあり、来年以降の宿題がある。金融所得課税のいわゆる『1億円の壁』の問題にどう対応するかは検討していかなければならない課題だ」と指摘しました。

公明 西田税制調査会長「税制がもたらす効果を注視したい」

公明党の西田税制調査会長は、記者会見で「成長と分配を両立する企業を税で後押しするため、今回は、賃上げと人への投資の両方に取り組む企業への支援を厚くできた。今回の税制がもたらす効果を注視したい」と述べました。

そのうえで「住宅ローン減税は中間層への支援が手厚くなり、岸田政権のもとでの税制改正としてよかった。固定資産税については、公明党として、激変緩和措置が必要だと唱え、自民党との協議で整ったことは一定の成果だ」と述べました。

鈴木財務相「成長と分配の好循環に向け確かな一歩」

来年度の税制改正大綱に盛り込まれた「賃上げ税制」について、鈴木財務大臣は、10日の閣議のあとの記者会見で「賃上げ税制を抜本的に強化していくことは、岸田内閣が掲げる『成長と分配の好循環』や新しい資本主義の実現に向けて確かな一歩となった」という認識を示しました。

一方、中小企業は赤字で法人税を納めていないところが多く、減税の恩恵を受けにくいという指摘があることについて、鈴木大臣は、「赤字でも賃上げをする中小企業にはものづくり補助金などの補助率を引き上げる特別枠を設けるなど、賃上げに向けた環境整備を推進していく。賃上げに向けた動きは今回かぎりではなく継続的にすることが重要だ」と述べ、予算措置と税制を組み合わせることで、幅広い企業に賃上げを促していく考えを強調しました。

山際経済再生相「多くの人の収入所得が上がる方向に」

また、山際経済再生担当大臣は、10日の閣議のあとの記者会見で「大いに『賃上げ税制』を使ってもらい、できるだけ多くの人の収入所得が上がる方向にもっていきたいと思っているし期待もしている」と述べました。

一方、山際大臣は、「税制だけで一人一人の所得を上げていくことには限界がある。さまざまな施策と併せてこの賃上げ税制も活用してもらいながら一人一人の所得を増やしていきたい」と述べました。