新型コロナ 自宅療養死の遺族会が初会合 悲しみなど語り合う

新型コロナウイルスに感染し、自宅で亡くなった患者の遺族が情報交換の場として立ち上げた遺族会が8日夜、初めてオンラインで会合を開き、適切な医療を受けられないまま家族を失った悲しみなどを語り合いました。

この遺族会は新型コロナウイルスに感染し、さいたま市の自宅で亡くなった70代の男性の長女、西里優子さん(27)が別の遺族の女性とともにことし9月に立ち上げました。

8日夜、初めて開かれたオンラインの会合には遺族会のメンバーや医師など合わせて5人が参加し、それぞれの経験を語り合いました。

この中で、西里さんはことし8月に亡くなった父親について、持病があり重症化のリスクが高いにもかかわらず自宅での療養を余儀なくされ、最後は救急車を呼んだものの受け入れ先の病院が決まらず、そのまま亡くなった当時の状況を語りました。

また、同じ時期に感染が確認され、沖縄県の自宅で亡くなっているのが見つかった40代の男性の姉は、適切な医療を受けていれば弟は助かったのではないかと、今も納得できない思いを抱えていることを明かしました。

遺族会では今後、同じ経験を持つ遺族のネットワークを広げて情報交換を行うとともに、感染が拡大した際に誰もが適切な医療を受けられるよう国に改善を求めることにしています。

会合の後、西里さんは「経験を話すことで心が軽くなりました。私たち遺族の思いを国に届け、同じような事態が繰り返されないようにしたい」と話していました。