田辺三菱製薬 子会社開発のワクチン 年内にカナダで承認申請へ

大阪に本社がある「田辺三菱製薬」は、カナダにある子会社が植物を使って開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、最終段階の臨床試験で安全性と有効性が確認されたとして、年内にカナダで承認に向けた申請を行う方針を明らかにしました。

田辺三菱製薬の発表によりますと、カナダにある子会社「メディカゴ」がイギリスの製薬会社と共同で開発を進めている新型コロナのワクチンについて、北米やヨーロッパなどのおよそ2万4000人を対象に行った最終段階の臨床試験で有効性と安全性が確認されたとしています。

ワクチンが発症を防ぐ効果は71%で、このうち、デルタ株に対しては75.3%だったということで、重い副反応は見られず、発熱などの副反応があった場合でも平均で1日から3日ほどで治まったとしています。

これを受けて、メディカゴは、年内にカナダで承認に向けた申請を行う方針です。

このワクチンは、成長が早いタバコ属の植物にウイルスの遺伝子を組み込み、葉の細胞からウイルスに似た形の粒子を抽出する手法でつくられ、2度から8度の温度で保存できることから、規模が小さな医療機関でも使いやすいメリットがあるとしています。

田辺三菱製薬は、日本でもこのワクチンの初期段階の臨床試験を進めていて、安全性などが確認できれば、海外で行われた最終段階の臨床試験の結果とあわせて、来年春にも国内で承認申請を行うとしています。