“安全保障関連法は違憲”訴訟 広島地裁 憲法判断示さず退ける

集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法は憲法9条に違反すると、被爆者を含む広島県と山口県の住民が訴えた裁判で、広島地方裁判所は、憲法判断を示さずに訴えを退けました。

6年前の平成27年に成立し、集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法について、被爆者を含む広島県と山口県の住民289人は、憲法9条に違反し、平和に生きる権利が侵害されたなどと主張して、この法律に基づく自衛隊の防衛出動などの禁止や、1人当たり10万円の賠償を国に求める訴えを起こしていました。

8日の判決で、広島地方裁判所の森實将人裁判長は「安全保障関連法によって、現時点でわが国に武力攻撃を受ける危険が現実に迫っているとはいえない」などと指摘しました。

そのうえで、この法律に基づく自衛隊の防衛出動などの禁止や賠償については、いずれも訴えを退けました。

安全保障関連法が憲法9条に適合するかどうかについては、判断を示しませんでした。

原告の弁護団によりますと、同様の裁判は全国で25件起こされ、これまで各地で言い渡された判決はいずれも、安全保障関連法が憲法9条に適合するのか判断を示さないまま、訴えを退けています。

原告「今後も闘い続ける」

判決のあと開かれた報告集会で、原告団の団長を務める杉林晴行さん(80)は「戦争は二度と体験したくないというのが切実な思いだ。安全保障関連法によって報復攻撃を受けるかもしれず、それを食い止めたいので、今後も闘い続ける」と述べました。

また、弁護団長を務める山田延廣弁護士は「ゼロ回答の判決で誠に残念だ。憲法9条違反の状態であっても裁判所はわれわれに手を貸しませんよという、結論ありきの判決だ」と批判し、控訴する考えを示しました。