オミクロン株 アメリカでも相次ぎ感染確認

アメリカ ニューヨーク州のホークル知事は2日、州内に住む5人が新たな変異ウイルス、オミクロン株に感染していたことが確認されたと発表しました。
感染経路など、詳しい状況はわかっていないとしていますが、全員、症状は軽いということです。

会見したホークル知事は「検査を受け、ワクチンを接種することが最大の対策となる」として、冷静な対応と対策の徹底を呼びかけました。

さらに、ハワイ州でも1人の感染が確認され、地元の保健当局は、感染した人に渡航歴がないことから、市中感染だとしています。

西部コロラド州でも2日、アフリカ南部から帰国した女性の感染が確認されたと地元の保健当局が発表しました。

NYで開かれたイベント「アニメNYC」に参加の男性も

中西部のミネソタ州の保健当局は2日、州内に住む男性が新たな変異ウイルス、オミクロン株に感染していたことが確認されたと明らかにしました。

男性は先月24日に受けた新型コロナウイルスの検査で陽性となりましたが症状は軽く、すでに回復しているということです。

この男性は先月19日から21日まで、ニューヨーク市で開かれたイベント「アニメNYC」に参加していたということです。

このイベントには3日間で5万3000人が参加していたことからニューヨーク州は感染の広がりに警戒を強めていて、ホークル知事は会見で、イベントに参加した人に検査を受けるよう促しました。

そのうえで「このような事態は驚くべきことではなく、いずれ州内でも感染が確認されるだろう。ワクチンを接種して備えてほしい」と述べ、冷静な対応を呼びかけました。

また、ニューヨーク市の保健当局もイベントに参加した人に連絡をとって調査するとしています。

バイデン大統領「カオスと混乱ではなく科学とスピード感で」

新たな変異ウイルス、オミクロン株が各国で確認されるなか、アメリカのバイデン大統領は「科学とスピード感をもって対処する」と述べ、水際対策の強化などの対応に全力を挙げると強調しました。

新たな変異ウイルス、オミクロン株の感染拡大が懸念される中、アメリカのバイデン大統領は2日、演説し、感染対策を強化する方針を説明しました。

具体的には、
▽空路でアメリカに入国する際に義務づけている新型コロナウイルスの検査のタイミングをこれまでの出発前の3日以内から1日以内に短縮するほか、
▽自分でウイルスの検査ができるキットを無料で入手できるよう支援するなどとしています。

バイデン大統領はオミクロン株について「懸念材料ではあるがパニックに陥る必要はない」としたうえで「カオスと混乱ではなく科学とスピード感をもって対処していく。去年より優位な立場で対応することができる」と述べこれまでに培ったワクチンや科学的知見によってより的確な対応ができると強調しました。

一方、人の移動や経済活動などを厳しく制限する「ロックダウン」は行わないとして、経済や市民生活への影響を抑えながら対応していく考えを示しました。

米国内の感染確認は合計9人に(日本時間3日午前10時半現在)

アメリカ国内では、これまでに、西部カリフォルニア州とコロラド州、中西部ミネソタ州、東部ニューヨーク州、それにハワイ州の5つの州で合わせて9人のオミクロン株の感染者が確認されています。