「景気の谷」は去年5月 緊急事態宣言下 内閣府が認定

内閣府は、3年前の11月から始まった景気の後退局面について、新型コロナの感染拡大で緊急事態宣言が出されていた去年5月が最も落ち込んだ「景気の谷」にあたると認定しました。

内閣府は、景気の回復と後退の時期を有識者で作る研究会で判断していて、日本の景気は米中の貿易摩擦などを背景に3年前の2018年11月から後退局面に入ったとしています。

30日の会議では、この後退局面がいつまで続いていたかを検討し、去年5月が後退局面として最も落ち込んでいた「景気の谷」にあたると認定しました。

全国で新型コロナの緊急事態宣言が出され、雇用情勢や企業の生産などが大きく悪化した時期で、今回の後退局面の期間は1年7か月と、戦後4番目の長さとなりました。

「谷」の翌月にあたる去年6月以降は景気が回復局面に入ったとみなされますが、ことし7月から9月のGDP=国内総生産の伸び率がマイナスになるなど、回復は力強さに欠ける状態が続いています。

会議のあと研究会の座長を務める立正大学の吉川洋学長は「景気の谷以降の立ち直りは、過去の回復期と比較してもかなり急勾配だが、現状は足踏み状況になってきている」という認識を示しました。