経済同友会代表幹事 “賃上げだけでなく生産性向上の議論を”

来年の春闘に向けて、岸田総理大臣が「業績がコロナ前の水準に回復した企業は3%を超える賃上げを期待する」と述べたことについて、経済同友会の櫻田代表幹事は30日の定例会見で、賃金の引き上げだけでなく、生産性の向上についても政府と労使で議論することが重要だとの認識を示しました。

この中で櫻田代表幹事は「岸田総理大臣が『新しい資本主義』を作るため、世界的に見ても労働分配率が低い日本で、最初の振り子として、何としても賃金を上げたいという意気込みがあったということでいわゆる『官製春闘』だとは理解していない」と述べました。

そのうえで「今回、税制で優遇しても賃上げが一過性のものであれば元のもくあみだ。今度こそイノベーション=技術革新を起こして、付加価値の高い企業を作るきっかけにしないと、仮に3%に届いたとしても生産性は上がらず、労働分配率は元に戻るということになりかねない」として、来年の春闘に向けては、賃上げだけでなく、生産性の向上についても政府と労使で議論することが重要だとの認識を示しました。