海氷情報 1日から刷新 より詳細な予測 一部情報終了も 気象庁

冬の北海道の海に広がる流氷の状況を伝える「海氷情報」について、気象庁は1日から、これまでより詳細な予測結果をもとに発表することになりました。一方で観測態勢の見直しに伴い、流氷を最後に確認した「流氷終日」など一部の情報は発表されなくなります。

流氷について気象庁は昭和21年から職員が目視で観測し、肉眼で確認できた「流氷初日」などの情報を伝えているほか、流氷の位置や今後の動きなどを「海氷情報」として発表し、付近を航行する船舶などに注意を呼びかけています。

最新の気象衛星のデータやスーパーコンピューターを活用した新たな監視・予測システムの運用が1日から始まるのに伴い、「海氷情報」も刷新されることになりました。

具体的には流氷の状況や広がりの予測図は解像度がこれまでより39倍向上し、拡大して詳細に確認できるようになります。

予報の間隔や期間も変わり、6時間ごとの情報が毎日発表され、10日先まで確認できるようになります。

一方、職員が目視で行う定時観測の態勢を見直し、流氷が沿岸から離れる「海明け」や、流氷が海岸から見えた最後の日「流氷終日」といった一部の情報は、今後、発表されなくなります。

「流氷初日」や「流氷接岸初日」などは引き続き職員が目視で観測し、発表されます。

気象庁は「衛星データなどの精度もよくなり、流氷接岸後は目視での観測をやめることになるが、解析や予測は引き続き職員が行うので地域の防災や気候変動データへの影響はないと考えている」と説明しています。

流氷観測の歴史は

気象庁は昭和21年1月から北海道内の7つの地方気象台や測候所で流氷の観測をはじめました。

職員が目視で流氷を観測し、「流氷初日」や「流氷接岸初日」、「流氷終日」、そして「海明け」を発表してきました。

観測機器の自動化によって、紋別市や根室市のほか、雄武町、枝幸町にあった4つの測候所が廃止され、現在は網走と稚内、それに釧路の3つの地方気象台で行ってきました。

一方、気象庁が観測をやめた地域でも一部の自治体では独自に観測を続けていて、紋別市では平成20年から市の職員が紋別港の「オホーツクタワー」で流氷を観測し、また根室市でも平成23年から市の観光協会とともに市役所の展望室で流氷を観測しています。

紋別市「今後も流氷終日を含めて観測続ける」

網走地方気象台紋別の閉鎖に伴って、2008年から独自に流氷の観測を続けている紋別市水産課の片倉靖次さんは「これまで気象庁が観測してきた流氷期間の平年値を見ることによって地球環境の変化を知ることができていたので気象研究の上ではとても意義があったと考えています。紋別市では今後も流氷終日を含めて目視とレーダーで観測を続けていく予定です」と話していました。

オホーツク流氷科学センター所長は

紋別市にある「北海道立オホーツク流氷科学センター」の高橋修平所長は「流氷終日」と「海明け」が廃止されることについて、「最近の気候変動と関連する可能性のあるデータの取得が止まってしまう」と懸念を示しました。

そのうえで「オホーツク海側に住んでいる方たちにとって、季節を表す言葉として根づいているだけでなく、本の表題になっているほか、俳句の季語にもなっている。言葉の廃止は非常に寂しいと感じる」と話していました。

観光船「おーろら」運航会社「不便になる」

気象庁が流氷の観測方法を変更することについて、北海道網走市観光課の高井秀利課長は「流氷観光に関しては流氷初日・流氷接岸初日というのが重要なので、海明けなどの情報は影響がないと考えています。今のところ特段心配なことはないと考えています」と話しています。

一方、流氷観光船「おーろら」を運航する会社では、気象庁が発表する流氷初日や流氷終日といった流氷のデータをまとめて、ホームページで発表していたということで、東海林竜哉営業部長は「気象庁のデータを元にして資料を作成していましたので不便になるかと思います。統計が一部なくなることに不安もあります。自分たちが独自に決めていくというか作っていかなくてはならないのかなと思います」と話しています。