海外の日系企業 6割余がことしの黒字見込む 経済活動再開受け

コロナ禍で落ち込んだ経済活動の再開などを受けて、ことし海外の日系企業の60%余りが、業績の黒字を見込んでいることがJETRO=日本貿易振興機構の調査で分かりました。

この調査は海外に進出している日系企業を対象に、JETROが毎年行っていて、ことし8月から9月にかけて行われた今回の調査では7500社余りから回答を得ました。

それによりますと、ことし営業利益が黒字になると回答した企業は全体の62.6%で、新型コロナウイルスの影響で過去最低だった去年の48%から14.6ポイント改善しました。

これはおととしと比べると2.4ポイント低く、感染拡大前の水準には届いていませんが、世界的な経済活動の再開や去年の売り上げ減少の反動で、海外の日系企業の業績は全体として上向いています。

ただ、コロナ禍での行動制限の影響を強く受けるサービス業では依然として回復が進まず、赤字を見込む企業の割合は「ホテル・旅行」で85.1%、「飲食」で51.4%と半数以上を占めています。

調査結果について記者会見したJETROの佐々木伸彦理事長は「資源価格の上昇や半導体不足など、新型コロナが引き起こした世界経済のアンバランスは簡単には解決せず、国際ビジネスの不確実性は依然として高い状況が続いている」と話しています。