診療報酬改定 コロナ対応重点に 看護師の収入引き上げなども

来年度の診療報酬の改定に向けて、厚生労働省は、新型コロナウイルスへの対応を重点課題に位置づけるとともに、看護師の収入引き上げや不妊治療、それに初回の診療を含めたオンライン診療を適切に評価するなどとした改定の基本方針案を示しました。

厚生労働大臣の諮問機関、社会保障審議会の部会で示された基本方針案によりますと、新型コロナウイルスや新たな感染症への対応を重点課題に位置づけ、効率的・効果的な入院医療が提供できるよう、医療機関の機能や患者の状態に応じ、地域で役割分担を進めることに対して評価を行うとしています。

また、経済対策に盛り込まれた看護の現場で働く人の収入引き上げについて必要な検討を行うとしたほか、来年度から保険適用を拡大する不妊治療や、初回の診療を含めたオンライン診療などを適切に評価するとしています。

このうち看護師の収入引き上げについて、出席した委員から「現場で働く人の収入が確実に上がるような制度設計を検討してほしい」といった意見が出されました。

社会保障審議会は、出された意見も踏まえ、来月前半にも基本方針を取りまとめる方針で、この基本方針をもとに、中医協=中央社会保険医療協議会で医療保険の適用範囲や個別の診療行為などの価格について議論が進められることになります。