新型コロナ「オミクロン株」感染広がる 各国が入国制限強化

南アフリカで確認された新たな変異ウイルスの感染が広がりを見せる中、オランダでは、旅客機で到着した乗客のうち13人の感染がこれまでに確認されました。
このほか、イギリスやドイツなどヨーロッパに加え、オーストラリアでも感染が確認されていて、各国はアフリカ南部からの入国を制限するなど対策を強化しています。

南アフリカで確認された新たな変異ウイルスはWHO=世界保健機関が26日、現在、広まっているデルタ株などと同じ「懸念される変異株」に指定し、「オミクロン株」と名付けました。

これまでに、南アフリカの隣国のボツワナや香港、それにイスラエルで感染が確認されたほか、ヨーロッパではイギリス、ドイツ、ベルギーに続いてイタリアなどでも確認されました。

オランダ これまでに13人「オミクロン株」感染確認

さらに、オランダでは26日に南アフリカから旅客機で到着した乗客のうち61人の陽性が確認され、保健当局は、これまでに13人が新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していたことが確認されたと発表しました。

61人全員の結果はまだ出ていないということで、当局は今後「オミクロン株」の感染者が増える可能性もあるとしています。

デンマークでも感染確認

また、北欧のデンマークの保健当局は28日、南アフリカから入国した2人が、「オミクロン株」に感染していたことを確認したと発表しました。

デンマークで、「オミクロン株」の感染が確認されたのは初めてです。

フランス 感染疑いのある症例

また、フランス保健省は「オミクロン株」に感染していた疑いのある症例が8件見つかったと発表しました。

感染が確定すれば、フランスでは初めてとなります。

各国で入国制限の動き

このほか、28日に新たにオーストラリアでもアフリカ南部から入国した2人の感染が確認されました。

「オミクロン株」については、感染力や重症化のリスク、ワクチンの効果への影響などは明らかになっていませんが、各国の間では、アフリカ南部からの入国を制限する動きが広がっています。

オーストラリア政府は、南アフリカを含むアフリカの9か国からの外国人の入国を禁止すると発表したほか、フィリピン政府は、南アフリカなどのアフリカの国に加え、オランダなどのヨーロッパの国々、合わせて14か国から原則として入国を認めない方針を明らかにしました。

またイスラエルは、すべての外国人の入国を14日間、禁止することを決めたほか、モロッコは、海外からのすべての直行便の乗り入れを29日深夜から2週間、停止することを発表しました。

さらに、イギリスの人口の大半を占めるイングランドで公共の交通機関でのマスクの着用を再び義務づけるなど、国内での規制強化に乗り出すところもあり、感染が広がりを見せる中、各国が対策を強化しています。

G7 保健相会合を開催へ

G7=主要7か国の議長国イギリスは、新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染の広がりを受けて、29日に緊急の保健相会合を開催すると発表しました。

「オミクロン株」への対応などについて、話し合われるということです。