3回目接種 間隔6か月はクラスター発生施設などに限定 厚労省

新型コロナウイルスワクチンの接種をめぐって、3回目までの間隔を6か月に短縮できる基準があいまいだという指摘が相次いだのを受けて、厚生労働省は対象を、クラスターが発生した医療機関や高齢者施設の関係者に限るとする方針を、全国に通知しました。

3回目の接種について、厚生労働省は、2回目からの接種間隔を原則8か月以上とする一方、自治体が地域の感染状況などを踏まえて、例外的に6か月に短縮できるとしています。
これに対し、全国の自治体から「基準があいまいだ」などと指摘が相次ぎ、厚生労働省は26日、接種間隔を短縮できる基準を全国の市区町村に通知しました。
それによりますと、6か月に短縮できるのは、
▽医療機関や高齢者施設などでクラスターが発生した場合で、対象は入院患者や施設の利用者、職員のうち、感染拡大を防ぐために自治体が必要と見なした人に限るとしています。
▽同じ保健所の管内で複数のクラスターが発生した場合は、その管内にある医療機関や高齢者施設などの関係者も対象にできるとしています。

国から新たなワクチンは配送せず、すでに配送しているワクチンを使用してもらうということです。

そのうえで、接種間隔の短縮を希望する市区町村は、対象の人数などを接種計画にまとめたうえで、都道府県を通じて事前に相談するよう求めています。

全国老人保健施設協会 “高齢者施設全般に接種を行うべき”

全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は「3回目の接種は非常に重要で、高齢者施設も場合によっては6か月に間隔を短縮する対象に含まれたこと自体はありがたいが、クラスターが起きた施設で接種を行うのは現実的には難しいのではないか。感染している可能性がある利用者に接種を行ってもいいのか、自宅待機をしている職員を呼び出してワクチンを打つのかなど課題が多く、現場に負荷がかかると思う。高齢者施設全般に、なるべく早く接種を行うべきだと考えている」と話していました。

首相 3回目接種 必要な体制作りに向け自治体側に協力求める

また政府主催の全国知事会議が26日夕方、総理大臣官邸で開かれ、岸田総理大臣は、新型コロナウイルスの第6波に備えた対策について「感染力が2倍になった場合にも対応できる医療体制を確保するとともに、ワクチン、検査、飲める治療薬の普及による、予防・発見から早期治療までをさらに強化していく」と述べました。

そのうえで「3回目のワクチン接種や無料検査の拡大で、現場には多大なご苦労をお願いすることとなる。よく連携しながらコロナ対策を進めていきたい」と述べ、必要な体制作りに向けて自治体側の協力を求めました。

これに対して全国知事会の平井会長は「協力を惜しまず、全国知事会を挙げてやっていく。交付金や諸制度が現場で使いやすいものとなり、現場の声に沿った形でコロナを乗り越えられるようお願いしたい」と述べ、国と連携して対策を進めていく考えを示しました。