新型コロナ専門家会合「感染状況 去年の夏以降最も低い水準」

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、全国の感染状況について去年の夏以降で最も低い水準が続いているとして今の水準を維持していくことが重要だとしました。一方で、感染は継続していることから、引き続き、ワクチン接種を進め、基本的な感染対策を徹底することが必要だと呼びかけています。

専門家会合は、現在の全国の感染状況について新規感染者数は去年の夏以降で最も低い水準が続き、療養者数や重症者数、それに亡くなる人の数も減少が続いていると評価しました。

ただ、一部の地域では夜間の人出の増加が続き、飲食店や施設などでクラスターが発生するなど一時的な感染者数の増加傾向が見られるとして、継続的な増加につながるか注視する必要があるとしています。

また、今後は気温の低下に伴い屋内での活動が増えるとともに年末に向けて忘年会やクリスマス、正月休みなどで、人との接触の機会が増えることが想定されるとして現在の低い水準の感染状況を維持することが重要だとしました。

そして、国内でワクチンの2回の接種が終わった人は人口のおよそ76%となっているもののワクチン接種が先行する諸外国では、中和抗体価の低下などでワクチン接種済みの人も感染する『ブレイクスルー感染』や大幅な規制緩和の中での感染が再拡大しているとして、対策の緩和を進める際には注意し、ワクチン未接種者への接種や12月からの追加接種に向けた準備を進めて行くことが必要だとしています。

そのうえで、接種した人を含めてマスクの正しい着用や手指の消毒、手洗い、1つの『密』でも避ける『ゼロ密』、それに換気など引き続き基本的な対策を徹底するよう呼びかけました。

このほか各都道府県に対しては発熱などの症状がある場合は帰省や旅行など県をまたぐ移動を控えるよう呼びかけることや事業者にテレワークや時差出勤、自転車通勤など、人との接触を減らす取り組みを働きかけることが求められるとしました。

1週間の新規感染者数前週比 ことし最も少ない水準続く

専門家会合で示された資料によりますと、24日までの1週間の新規感染者数は前の週と比べて全国では0.68倍と減少し、ことしに入って最も少ない水準が続いています。

14の県では1週間で感染者が1人も報告されませんでした。

首都圏の1都3県では
▽東京都で0.68倍、
▽千葉県で0.54倍、
▽埼玉県で0.47倍と減少し、
▽神奈川県で1.00倍と横ばいになっています。

関西の2府1県では
▽大阪府で0.66倍、
▽京都府で0.85倍、
▽兵庫県で0.51倍といずれも減少しています。

中京圏では
▽愛知県で0.66倍、
▽岐阜県で0.38倍と減少し、
▽三重県で1.00倍と横ばいになっています。

このほかの地域では、
▽沖縄県は0.64倍と減少が続く一方、
▽群馬県で1.36倍、
▽福岡県で1.28倍などと感染者の数自体は少ないもののやや増加している地域もあります。

また、14の県では24日までの1週間で感染者の報告がありませんでした。

現在の感染状況を人口10万当たりの直近1週間の感染者数でみると、
▽最も多い北海道で1.98人、
▽岡山県で1.96人、
▽大阪府で1.32人などとなっていて、
▽全国では0.62人となっています。

後藤厚生労働相「諸外国の状況 留意必要」

後藤厚生労働大臣は、専門家会合で「ワクチン接種が先行する諸外国において、中和抗体価の低下などによるブレイクスルー感染や、大幅な規制緩和の中でリバウンドが発生している状況もあることに留意が必要だ」と指摘し、政府として引き続き感染対策に取り組む考えを示しました。

また「『ワクチン・検査パッケージ』などの対策を通じ、感染リスクを引き下げながら経済社会活動の継続を可能とする新たな日常の実現を図っていく。国民には、新たなルールの遵守と同時に、ワクチンを接種した方を含め、引き続きマスクの着用や手指衛生、ゼロ密や換気などの基本的な感染対策の徹底に協力してほしい」と述べました。

脇田座長「ワクチン接種だけでなくさまざまな対策を総合的に」

専門家会合のあと記者会見に出席した脇田隆字座長は、ワクチンの3回目の接種を受ける時期について「ワクチンの感染予防効果は2回目の接種以降徐々に減っていくが、発症予防効果や重症化予防効果は保たれる。6か月たつと全員の効果が無くなるわけではない。社会全体が守られている状況を継続するために、今の時点では、8か月たった人から順番が来れば追加接種をしっかり進めていくことが大切だ」と話していました。

また、ヨーロッパや韓国などで感染が再拡大していることについて「海外と日本でどういった状況の違いがあるかを考えると▽ヨーロッパはワクチン接種の開始時期が日本より早かったことや▽mRNAワクチン以外に別のワクチンも多く使われたこと、それに▽ヨーロッパは寒くなるのが早く屋内活動が増えたこと、▽規制緩和もかなり早くから始まっていることなど、さまざまなファクターがある」と指摘し、日本ではワクチンによる免疫がまだ上昇しつつあるなど状況が異なることから今後の感染状況をしっかりみていくことが重要だとしました。

そのうえで「ブースター接種の最終的な目標は流行を大きくせずに、医療ひっ迫を防ぐことだ。そのためには、ワクチン接種だけでなく、さまざまな感染対策を総合的に進める必要がある」と述べました。