新政権発足のドイツ 核兵器禁止条約会議にオブザーバー参加へ

ことし1月に発効した核兵器禁止条約。

アメリカやロシアといった核保有国や、アメリカの核の傘のもとにあるNATO=北大西洋条約機構の加盟国や日本などは、条約に参加していません。

このうちNATO主要国のドイツで来月発足する見通しの新政権が、来年開かれる締約国会議にオブザーバー参加する方針を示しました。

今後、ほかの国々の判断にも影響を与えるものと見られます。

メルケル首相に代わりショルツ氏が新たな首相に

ドイツではことし9月に行われた連邦議会選挙の結果、二大政党のうち、中道左派の社会民主党が第1党となった一方、メルケル首相の中道右派のキリスト教民主・社会同盟は第2党となりました。

ただ、社会民主党も過半数には届かず、第3党で環境政策を前面に掲げる緑の党と、第4党で市場経済を重視する自由民主党との間で、連立政権の発足に向けて交渉を続けてきました。

3党の代表は24日共同で会見し、連立交渉が合意に達したと発表しました。

これを受けて、現在財務相を務める社会民主党のショルツ氏が、16年にわたってドイツを率いてきたメルケル首相に代わる新たな首相に来月就任する見通しです。

方針転換 核兵器禁止条約の会議にオブザーバー参加へ

3党の連立協定によりますと、新政権は来年1月に開かれるNPT=核拡散防止条約の再検討会議の結果を踏まえ、各国とも緊密に協議しながら、3月にオーストリアで開かれる核兵器禁止条約の初めての締約国会議にオブザーバーとして参加する方針で、これまでのメルケル政権の姿勢を転換させるとしています。

核兵器禁止条約 現状は

核兵器の開発、保有、使用を禁じる核兵器禁止条約。これまでに56の国と地域が批准の手続きを終えたほか、条約に参加する意思を示す署名は86に上っています。
一方で、アメリカやロシア、中国などの核保有国や、アメリカの核の傘のもとにある
NATO=北大西洋条約機構の加盟国や日本などは、条約に参加していません。

条約の初めての締約国会議は来年3月にオーストリアの首都ウィーンで開かれますが、条約に参加していない各国も会議にオブザーバーとして参加するかどうかが注目されています。

NATO加盟国では2か国目 ドイツの動きに続く国々も?

国連によりますと、核兵器禁止条約に参加していない国のうち、締約国会議にオブザーバーとして参加することを国連側に伝えてきたのは、スイス、スウェーデン、フィンランドの3か国で、NATO=北大西洋条約機構の加盟国の中でオブザーバーとして参加の意向を示したのは、ノルウェーに続いてドイツが2か国目です。

国連の外交筋は、NATO加盟国の多くが核兵器禁止条約に反対の姿勢を示す中で、主要国のドイツが会議への参加の意向を示したことは、今後ほかの国々の判断にも影響を与えるとの見方を示していて、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンも「さらに多くの国々がこの動きに続くはずだ」と期待を表明しています。