留学生受け入れ再開 すぐ入国できるの?待ち望んだ人たちは?

11月8日から政府は、留学生をはじめとする外国人の新規入国を一定の条件をもとで緩和しました。日本への留学を希望し、海外で待機する外国の人たちは、およそ14万7000人で、順次、日本に来ることになります。

受け入れに向けた課題は?
留学を希望している人たちはどう思っているの?

受け入れ先の日本語学校や留学を希望する外国の人たちなどに話を聞きました。
(国際部記者 近藤由香利)

留学生はすぐに来日できるの?

すぐに入国できるわけではありません。

まず大学や日本語学校などの受け入れ先が、所管する省庁の「事前審査」を受ける必要があります。

「事前審査」は、日本への留学を希望して待機してきた期間の長い人から申請することになっているので、留学を希望する外国の人たち全員が、すぐに申請できるわけではありません。

「事前審査」に通過したあとの手続きは?

「事前審査」を通過したら、所管省庁から審査を済ませたことを証明する書類が交付されます。

留学を希望する人たちは、こうした書類を持って現地の領事館などに行ってビザを発給してもらい、日本に入国できるようになります。

一方で、政府は現在、感染対策として、日本に1日に入国できる人数を、日本人の帰国者、ビジネス目的の短期滞在者、技能実習生、留学生などすべて合わせて3500人に制限しています。

政府は、11月26日から1日当たりの入国者の上限を5000人に引き上げると発表しましたが、留学を希望する人たちだけで14万人を超えていて、多くの人たちは引き続き待機せざるをえないとみられます。

受け入れ先は、どんな準備をしているの?

感染が拡大する前、およそ400人の留学生が学んでいた福岡市内の日本語学校を取材すると、現在およそ250人の人たちが留学を希望して海外で待機しているということで、一人ひとりに連絡をとって、入国に向けた手続きなどを説明していました。

またこの学校では、留学生を受け入れるために必要な「事前審査」の準備にも追われているといいます。

具体的には、所管する省庁に、最大14日間、留学生が待機する施設などの住所や待機中の行動予定を記入した「活動計画書」などの提出が求められていて、書類の作成を急いでいるとのことでした。

留学生はいつごろから入国できそうなの?

学校では、12月後半か年明け以降に入国できると考えているとのことでした。

すでに説明しましたが、「事前審査」は待機してきた期間の長い人から申請することになっているので、入学を希望しているおよそ250人の申請期間もバラバラで、「事前審査」を通過しても、国によってはビザの発給に時間がかかることもあるためです。
学校では、具体的な日程の見通しがたたないことから、クラス編成といった必要な準備を進めることができていないと話していました。

留学生たちはどう受け止めているの?

海外で待機している外国の人たちに話を聞くと「ずっと待ち望んでいたことだったのでワクワクしている」などと喜ぶ声がある一方で、「いつ入国できるか分からず、留学を諦めるかもしれない」といった不安の声もありました。
このうち、スウェーデンの女子大学生、コネーリア・トーリグさんは、ことし8月からおよそ1年間、交換留学生として日本に留学する予定でした。

受け入れの再開を受けて留学先の日本の大学から連絡がありましたが、「『事前審査』を受けるための書類の申請が来年2月以降になるので、日本に来られるのは3月からかもしれない」と言われたということです。

留学期間は“来年6月”までと決まっていて、このままでは留学できる期間が短くなってしまうため、留学そのものを断念する可能性があると話していました。

今も日本の大学のオンライン授業を、平日午前1時から5時まで毎日受けていて、入国が先延ばしになって同じ生活を続けるのは、体力的に難しいと考えていることがいちばんの理由だといいます。

トーリグさんは「大好きな日本ですが、これだけ長く入国できない時期が続くと、留学生が大事にされてないのかもと感じてしまいます」と、残念そうに話していました。
また、香港で暮らすレイラさん(仮名)は、日本でファッションデザイナーになりたいと、日本への留学を目指しています。

ことし6月に高校を卒業し、8月から日本の大学に留学する予定でしたが、「事前審査」を申請できるのが“来年2月”以降になるため、いつ日本に来られるか見通しが立っていないということです。

レイラさんの1歳違いの弟がことし9月からイギリスに留学したり、同級生が大学生活を送ったりしているのを見て、レイラさんは、どうすることもできないもどかしさを感じていると話していました。

「自分は香港にいることしかできず、精神的にとてもつらいです。新型コロナの感染が再び拡大して、入国が制限されてしまうのではないかと、心配しています」(レイラさん)