尾身会長「ワクチン・検査パッケージ 走らせて見直しを」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会が開かれ、ワクチン接種や検査による陰性の証明によって行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」制度の要綱案が示され了承されました。

分科会の尾身茂会長は記者会見で「ワクチン・検査パッケージ」制度の要綱案について、分科会で了承したと述べました。

その上で、感染が拡大した状態での運用について「感染が拡大して一般医療を相当程度制限しなければ、コロナ対応ができない『レベル3』になった場合、これまでよりも強い行動制限が課されることが考えられ、状況に応じて『ワクチン・検査パッケージ』の運用の継続も停止もあり得る。感染や医療の状況、適用される場面のリスクなどを判断する。何があっても継続する、停止するという考え方ではない」と述べました。

これに加えて、尾身会長は「『レベル3』といっても、実態としてはレベルが上がったばかりの初期のタイミングと、放っておけば一般医療を大きく制限しても新型コロナの医療に対応できない『レベル4』という最悪の事態が近づいている状況と大きく2つに分けることができる。最悪の事態に近づいているときには、強い対策が打たれ、『ワクチン・検査パッケージ』制度の対象になるイベントなどが制限され、制度を適用する、しないという判断にもならない可能性もある」と指摘しました。

さらに、尾身会長は「制度を走らせながら、効果と限界を継続的に評価して適宜見直していくという態度が非常に重要だ。政府は今のところ、ワクチン接種証明の有効期限について決めていないが、接種から数か月で感染を防ぐ効果が落ちることは間違いない。いますぐ結論を急ぐ必要はないが、なるべく早く議論したほうがよいというのが専門家の一致した見解だ」と述べました。