日本航空 1460億円の赤字見通し 最終赤字になれば2年連続

日本航空は来年3月までの1年間のグループ全体の業績予想を公表し、最終的な損益が1460億円の赤字になるという見通しを明らかにしました。新型コロナウイルスの影響が長期化し利用者の回復が遅れているためで、実際に最終赤字になれば2年連続となります。

発表によりますと、日本航空は来年3月までの1年間のグループ全体の決算で最終的な損益が1460億円の赤字になる見通しです。

これは新型コロナの影響が長期化し国内線、国際線ともに利用者数の回復が遅れているためで、実際に最終赤字になれば2800億円を超える赤字を計上した昨年度に続き2年連続となります。

また合わせて公表したことし9月までの半年間の中間決算は、最終的な損益が1049億円の赤字でした。

ただコスト削減の効果や好調な国際貨物の需要を取り込んだことで、赤字幅は昨年度の同じ時期よりもおよそ600億円、縮小しました。

会社によりますと、9月までの3か月間の利用者は感染拡大前のおととしの同じ時期と比べて
▽国内線は34%
▽国際線は8%に
とどまりましたが
ワクチン接種の効果などで来年3月には
▽国内線で92%
▽国際線で23%まで
回復を見込むとしています。

菊山英樹専務は記者会見で、傘下の格安航空会社を除くグループ全体の従業員数について、「従来からの方針に変化はないが、2023年度以降、横ばいを維持していく」と述べ、新規採用の抑制などで今よりおよそ2500人少ない3万3500人の規模にしていく考えを示しました。

航空業界をめぐってはANAホールディングスも今年度の業績予想で1000億円の最終赤字になる見通しを明らかにしていて、航空業界の厳しい状況が続いています。

JAL専務「水際対策が緩和に向かうこと期待」

2年連続で最終赤字になる見通しになったことについて日本航空の菊山英樹専務は2日の決算会見で「緊急事態宣言がここまで長期化するとは思わず、厳しい業績予想となった。ただこの秋以降の国内線の需要はビジネス出張や修学旅行などで着実に回復傾向にある」と述べました。

また政府がビジネス目的の入国者を対象に自宅などでの待機期間を原則3日間に短縮する方針を固めたことについては「海外ではワクチン接種をした人の水際対策を緩和する動きが広がっている。日本国内のワクチン接種率は海外と比べてもトップクラスで経済界からも海外出張のニーズが高いので、水際対策が緩和に向かうことを期待したい」と述べました。