樹木食い荒らす外来種のカミキリムシ 国内で初確認 福島 郡山

街路樹や庭木として全国に植えられている樹木を好んで食い荒らす外来種のカミキリムシ「サビイロクワカミキリ」が、国内では初めて福島県郡山市で見つかりました。
市内では、すでに街路樹が枯れて倒れるなどの被害が相次いでいて、専門家は車や歩行者に倒れかかるおそれもあるとして、早急に生息状況を調べ駆除する必要があるとしています。

国内で初めて見つかったのは、中国などが原産の大型のカミキリムシ「サビイロクワカミキリ」です。

郡山市の樹木医、安齋由香理さんが虫に食い荒らされた街路樹の幹を持ち帰り調べていたところ、ことし7月、茶色の羽に白のまだら模様のある見たことのないカミキリムシが現れ、森林総合研究所に依頼して調査した結果、国内初確認の外来種と分かりました。

「サビイロクワカミキリ」は、街路樹や庭木として全国で広く植えられているイヌエンジュなどの木を主な住みかとしていて、安齋さんの調査によりますと、郡山市内ではこの木が植えられている8つの通りのうち、7つで街路樹が食い荒らされる被害が確認されているということです。

このうち、郡山駅から西に7キロほど離れた通りでは、54本あるイヌエンジュのうち52本に被害が確認され、1本は枯れて倒れたほか、倒れるおそれが高い3本が伐採されたということです。

カミキリムシの生態に詳しい森林総合研究所の加賀谷悦子穿孔性昆虫担当チーム長は「今回見つかったカミキリムシは中国では『エンジュキラー』として知られていて、街路樹が倒れて車や人にぶつかるおそれがある。全国的に拡大しないよう、まずは被害エリアを特定し、状況を詳しく調べるとともに駆除方法を早急に決めて封じ込める必要がある」と話しています。

郡山市は「新しい外来種で情報があまりないため、専門家や住民などさまざまなところから情報収集したうえで、消毒などを行って木を守る対応をしたい」としています。

外来種のカミキリムシ 生息域や被害 年々拡大

外来種のカミキリムシの日本国内への侵入はこれまでも相次いでいて、その生息域や被害は年々、拡大しています。

このうち、2012年に愛知県で初めて確認された、中国原産の「クビアカツヤカミキリ」は、桜や桃などの木を食い荒らす大型のカミキリムシで、国が特定外来生物に指定しています。

繁殖力が強く、生息域は本州や四国の12都府県に広がっていて、多くの果樹や桜並木が伐採される事態になっています。

また、2002年に横浜市で初めて被害が確認された「ツヤハダゴマダラカミキリ」は原産地の中国のほか、欧米でも公園の木や街路樹を枯らすなど、大きな影響を及ぼしていることから、国際自然保護連合により「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されています。

ことしに入って愛知、茨城、福島、宮城の各県で次々に見つかっていて、福島県では街路樹のトチノキやカツラの木が食い荒らされる被害が出ています。

こうした外来種は、輸入物資に使われる木質のこん包材などに紛れて国内に侵入した可能性があるとされ、各地で被害樹木の伐採のほか、殺虫剤や農薬の使い方の検討などが進められていますが、拡大を食い止めることはできていません。