新型コロナ 軽症者向け飲み薬 塩野義製薬が海外でも臨床試験へ

大阪に本社がある製薬会社「塩野義製薬」は、国内で新型コロナウイルスの新たな感染者が大きく減少していることを受けて、飲み薬の臨床試験をシンガポールなど海外でも行う方針を明らかにしました。

新型コロナウイルスの軽症者向け飲み薬の開発を進めている塩野義製薬は、ことし9月から最終段階の臨床試験に入っていて、国内のおよそ2100人を対象に薬の有効性や安全性を確かめる方針でした。

これについて手代木功社長は1日の中間決算の会見で、国内で新たな感染者が大きく減少していることから、治験を受ける患者の確保が難しくなる可能性があることを明らかにしました。

こうした状況を踏まえ会社では、依然として新たな感染者の数が多いシンガポールや韓国、イギリスなど、海外でも臨床試験を行う方針を明らかにしました。

そのうえで、来月中旬までに薬の効果などに関するデータを集めたうえで、予定どおり、早ければ年内にも国への承認申請の準備に入るとしています。

手代木社長は「感染者の著しい減少で、日本国内だけで症例を集めるのは難しい。少しでも早く治療薬を提供するために、やれることをやっていく」と述べました。

また、手代木社長は、開発中の新型コロナウイルスの国産ワクチンについて、月内にも最終段階の大規模な臨床試験を始めたいという考えを示しました。