Jリーグ杯 グランパス初優勝 接種証明などで1万7933人が観戦

サッカーのJリーグカップは30日決勝が行われ、名古屋グランパスがセレッソ大阪に2対0で勝って、初優勝しました。

Jリーグカップはリーグ戦と天皇杯に並ぶサッカーの国内の3大タイトルの1つで30日、埼玉スタジアムで決勝が行われグランパスと4年ぶりの優勝を目指すセレッソが対戦しました。

グランパスは、後半2分、コーナーキックのボールを柿谷曜一朗選手がヘディングでコースを変え、前田直輝選手が頭で押し込んで先制点を奪いました。

このあと、セレッソに攻め込まれる時間が続きましたが、後半34分、一瞬の隙をついて相手ゴール前まで攻め込み、最後は、シュートのこぼれ球に反応した稲垣祥選手が、この大会の得点ランキングでトップに並ぶ4ゴール目を右足で決めて追加点を奪いました。

グランパスはセレッソに2対0で勝ちJリーグカップで初優勝しました。

J1で優勝した2010年以来、11年ぶりとなる3大タイトル獲得です。

セレッソは、後半途中から出場した39歳のベテラン、大久保嘉人選手などがゴールを脅かす場面を作りましたが、J1で2番目に失点が少ないグランパスの堅い守備を最後まで崩せませんでした。

「ワクチン・検査パッケージ」活用 サポーターの行動検証

Jリーグカップの決勝ではワクチンを接種済みであることや検査で陰性だったことを証明する「ワクチン・検査パッケージ」を活用し、観客数の上限にこれまでで最大規模となる1万人を上乗せして試合が開催されました。

Jリーグは緊急事態宣言などが出されていた地域での試合について解除後も1か月程度は、経過措置として観客数の上限を1万人とするとガイドラインで定める一方で、今月行われたリーグ戦など6試合で「ワクチン・検査パッケージ」を活用し上限を上回る観客を入れてサポーターの行動を検証してきました。

30日、埼玉スタジアムで行われたJリーグカップの決勝では、上限の1万人に加えて2回目のワクチン接種から2週間以上が経過した人と3日以内にPCR検査を受けて陰性だった人を対象にこれまでで最大規模となる1万人分のチケットが追加で販売され、最終的に1万7933人が観戦しました。

スタジアムでは専用のブースが設けられ来場したサポーターがワクチンの接種証明書などを提示して入場し、指定された席で試合を観戦しました。

また、試合中はスタンドの様子をカメラで撮影して一般の席と比較してマスクを外している人の割合を調べたり音量を測る機械で声を出しての応援が行われていないかどうかを計測したりして感染予防の意識が低下していないか確認したということです。

「ワクチン・検査パッケージ」を利用して来場した大阪の30歳の男性は「安心して観戦できるし、面倒な部分は多いがいいシステムかなと思います」と話していました。

グランパス 稲垣「人生でナンバーワンのゴール」

MVP=最優秀選手に選ばれた名古屋グランパスの稲垣祥選手はこの大会で得点ランキングトップに並んだ追加点のゴールについて「大きな舞台でも冷静にしっかりたたきつけることを意識して打つことができた。このタイトルをとるかどうかがクラブの今後に大きな違いになると思っていたのでタイトルを決定づけるゴールをとれたという意味で本当に人生でナンバーワンのゴールだと思う」と話しました。

そのうえで、「苦しくても全員で戦い抜けたきょうの優勝は本当にチーム全員の自信になると思うし、これからさらにステップアップしていくことができると思う」と話していました。

グランパス フィッカデンティ監督「勝って報われた」

名古屋グランパスのフィッカデンティ監督はクラブとして11年ぶりとなる3大タイトル獲得となった30日の試合を振り返って「グランパスに唯一足りなかったのは、Jリーグカップのタイトルで選手たちがこだわってきたところでもあったので勝って報われてよかった」と話しました。

そのうえで「苦しい時間も長かったがいい時間に先制することができたのでその後は守備の人数を増やすなどして自分たちの戦いができ、しかるべき勝ち方ができたのではないかと思う」と話していました。

セレッソ 清武「サッカー人生でも一番悔しい」

セレッソ大阪のキャプテンで後半から途中出場した清武弘嗣選手は「セットプレーが鍵になると思っていたなかで後半入ってすぐにコーナーキックから得点されたのが残念だった」と話し、先制点を奪われた場面を悔やみました。

そのうえで「準優勝は味わいたくないもので決勝まで来てこういう結果になるのはサッカー人生でも一番悔しい。この光景を忘れずに成長していけたらと思う」と話していました。

セレッソ 小菊監督「私の力のなさ 選手たちに申し訳なく思う」

セレッソ大阪の小菊昭雄監督は「選手たちは最後までしっかり戦ってくれた。勝たせてあげられなかった私の力のなさで選手たちに申し訳なく思う」と話しました。

そのうえで「自分たちでボールを保持しながら前進していく攻撃ができたし、守備でも規律を守って前半を終えられたが、後半早々に失点したことが重くのしかかった試合だった」と悔しさをにじませながら振り返っていました。