HIS 過去最大530億円の赤字見通し 旅行需要の落ち込み長期化

大手旅行会社のエイチ・アイ・エスは、新型コロナウイルスによる旅行需要の落ち込みが長期化している影響で、今月までの1年間の決算で最終的な損益が過去最大の530億円の赤字となる見通しになりました。

エイチ・アイ・エスが30日発表した今月までの1年間のグループ全体の業績予想によりますと、売り上げは前の年度より70%減って1250億円、最終的な損益は530億円の赤字となる見通しです。

新型コロナウイルスの影響が長期化し、主力の海外旅行の需要がほぼなくなったことに加え、国内旅行の需要も低迷したことが要因です。

最終赤字となるのは2年連続で、赤字の額は前の年度の250億円を超え、過去最大となる見通しです。

会社では、先月東京 港区のビルに入る本社のフロアを324億円で売却したほか、今後、海外の投資ファンドや創業者の澤田秀雄会長兼社長を引き受け先として新たな株式などを発行することで215億円を調達する方針です。

大手旅行会社では、近畿日本ツーリストなどを傘下に持つ「KNTーCTホールディングス」も今年度に148億円の最終赤字を見込んでいて、旅行業界の厳しい状況が浮き彫りになっています。