新型コロナ 新規感染者数 ことしに入って最も少ない水準に

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、多くの都道府県で減少傾向が続いていて全国の感染者数はことしに入って最も少ない水準となっています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、ことし8月末から新規感染者数が減少傾向となり、
▽先月30日までの1週間は前の週に比べて0.55倍、
▽今月7日は0.55倍、
▽今月14日は0.61倍、
▽今月21日は0.62倍、
▽28日まででは0.68倍と、9週連続で減少傾向となっています。

1日当たりの新規感染者数は265人と、ことしに入って最も少ない水準となっています。

また、新規感染者数は34の都道府県で減少傾向となっていますが、京都府など13の府県では低い水準で横ばいの状況となってきています。

1都3県

東京都は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.50倍、
▽今月21日は0.56倍、
▽28日まででは0.59倍と10週連続で減少傾向となっています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ26人、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は1.29人で、ことしに入って最も少ない水準となっています。

神奈川県は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.66倍、
▽今月21日は0.49倍、
▽28日まででは0.49倍と9週連続で減少傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ14人となっています。

埼玉県は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.46倍、
▽今月21日は0.55倍、
▽28日まででは0.67倍と10週連続で減少傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ12人となっています。

千葉県は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.53倍、
▽今月21日は0.45倍、
▽28日まででは0.54倍と9週連続で減少傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ7人となっています。

沖縄県・北海道

沖縄県は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.77倍、
▽今月21日は0.92倍、
▽28日まででは0.55倍と10週連続で減少傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ11人となっています。

直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は5.51人で全国で最も多いものの、「第5波」のピークだった8月中旬に比べておよそ60分の1に減少しています。

北海道は
▽今月14日までの1週間は前の週の1.32倍、
▽今月21日は0.86倍、
▽28日まででは0.48倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ9人となっています。

関西

大阪府は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.65倍、
▽今月21日は0.56倍、
▽28日まででは0.77倍と8週連続で減少傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ48人となっています。

京都府は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.67倍、
▽今月21日は0.41倍と8週連続で減少傾向となっていましたが、
▽28日まででは1.06倍で横ばいとなっています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ7人で引き続き低い水準となっています。

兵庫県は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.54倍、
▽今月21日は0.62倍、
▽28日まででは0.98倍と9週連続で減少傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ23人となっています。

中部

愛知県は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.52倍、
▽今月21日は0.69倍、
▽28日まででは0.96倍と8週連続で減少傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ23人となっています。

岐阜県は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.79倍、
▽今月21日は0.45倍、
▽28日まででは0.89倍と9週連続で減少傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ7人となっています。

三重県は
▽今月14日までの1週間は前の週の0.80倍、
▽今月21日は0.60倍、
▽28日まででは0.79倍と9週連続で減少傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ3人となっています。

「この状態を長く維持できるかが大事」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況について「緊急事態宣言が解除されてから1か月という中で、全国の1日の感染者数も平均で300人以下という少ない状況が続いている。感染者数の先週と今週の比較でも減少傾向が持続している」と話しています。

そのうえで、減少の理由については「国内では、ワクチン接種が7月、8月、9月で64歳以下の人に急激に進んで一時的にしろ抗体価の高い人が増えたことと人々が感染リスクを認識して、それを避ける行動を取れるようになってきたことが非常に大きいと考えられる。また、日本はデルタ株のまん延に重なる形でワクチン接種が進んだことも急激な減少に関係している可能性がある」と指摘しました。

今後の感染状況については「まだ全国で減少が続いている状況をみると、しばらくは減少傾向が続くと考えられる。一時的に下げ止まりのようになるかもしれないが、この状態をどのくらい長く維持できるかが大事だ。飲食店の時短営業が解除になって緩みがちになるが、食事を楽しむにしても第三者の認証を受けたお店で換気や距離や滞在時間、人数など店のルールに従い、何よりも一人ひとりが基本的な感染対策はまだ維持するという気持ちを持つことが重要だ」と話しています。