北朝鮮「生活心配してくれと頼んだことない」 “飢餓”指摘に

北朝鮮が新型コロナウイルス対策で国境を封鎖したことなどで国民の一部が飢餓に陥るおそれもあると、国連の特別報告者が指摘したことについて、北朝鮮が談話を発表し、「生活を心配してくれと頼んだことはない」と反発しました。

北朝鮮の人権状況を調査している国連の特別報告者のキンタナ氏は22日、ニューヨークの国連本部で行った記者会見で、北朝鮮が新型コロナウイルス対策として国境を封鎖したことなどにより国内の物資が不足し、国民の一部が飢餓に陥るおそれもあると指摘しました。

これについて、北朝鮮の「朝鮮人権研究協会」の報道官は、26日、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を発表しました。

この中で「世界的な新型コロナウイルスの状況に対処するためにとった、われわれの現実的な防疫措置に、悪意をもっていいがかりをつけた。われわれの生活を心配してくれと頼んだことはない」と反発しました。

そのうえで「国連は、人種差別や移民排斥、警察官による暴行、銃器犯罪などの慢性的な人権の病に苦しむアメリカの状況を監督する特別報告者をつくるべきだ」と主張しました。

北朝鮮は、国内に新型コロナウイルスの感染者は1人もいないとしている一方、外国との貿易を厳しく制限する措置を続け、経済が打撃を受けています。