競泳 金メダリスト 萩野公介が現役引退表明「かっこいい人生」

リオデジャネイロオリンピックの金メダリストで競泳の萩野公介選手が引退会見を開き、「弱い自分をさらけ出しながらも全力で泳ぐことで自分を表現してきた。かっこいい競泳人生だったと思う」とみずからの競技生活を振り返りました。

萩野選手は24日、都内で会見を開き現役を引退を表明しました。

萩野選手は、リオデジャネイロ大会で競泳で最も過酷と言われ、勝者は「キングオブスイマー」とも呼ばれる400メートル個人メドレーで金メダルを獲得しました。

しかし、その後は不振に苦しみ、一時、休養して競技を離れたあと、自身にとって3回目のオリンピックとなったこの夏の東京大会では200メートル個人メドレーなどに出場しましたが、表彰台には届きませんでした。

萩野選手は、東京大会の前からすでに引退を決意していたことを報道陣に明かし、「苦しいこともたくさんあったなか、泳ぐことにどういう意味があるか考えてきた。休養を経て、“もう一度、水泳に立ち向かいたい”と思ったが、体力面や気力面で、何が何でもと、しがみつくところがなくなっていったのかもしれない」と話しました。

現役最後のレースとなった東京オリンピックについては、「競技人生で唯一、レース前に自分の道を振り返って臨んだ。振り返ってみたらこれまでのレースやライバル、先生方の姿など思い出が走馬灯のように流れ、何にも変えられない1番の宝物を見つけることができた気がした」と感慨深げに話していました。

そして、「弱い自分をさらけ出しながらも全力で泳ぐことで自分を表現してきた。かっこいい競泳人生だったと思う」とみずからの競技生活を振り返りました。

今後は大学院に進学する予定だということで、「引き続き泳ぐ意味について考えていきたいと思っている。いろいろなことにチャレンジして、第2の人生を頑張っていきたい」と抱負を話しました。

平井伯昌コーチに師事 トップスイマーに成長

萩野公介選手は栃木県出身の27歳。

厳しい練習で培った驚異的なスタミナと、むだのないフォームが生み出す伸びやかな泳ぎで、世界の舞台で活躍してきました。

オリンピックは、2012年のロンドン大会に高校3年生で初出場し、男子400メートル個人メドレーでこの種目で日本選手初となる銅メダルを獲得。

大学進学後は、北島康介さんなどを育てた平井伯昌コーチに師事してさらに力を伸ばし、日本競泳陣を引っ張るトップスイマーに成長します。

2016年のリオデジャネイロ大会では、400メートル個人メドレーで金メダルを獲得するなど、リレー種目も含めて金・銀・銅の合わせて3つのメダルを獲得しました。

その後、古傷の右ひじの手術をきっかけに不振に陥ります。

おととし3月には休養を決断して一時、競技を離れました。

およそ3か月後に本格的な練習を再開したものの技術面でも、体力面でも、全盛期のような泳ぎを取り戻すことはできず、ことし夏の東京大会に向けては出場種目を200メートル個人メドレーに絞るなどして、3大会連続の出場を果たしました。

現役最後のレースとなったのは、この東京大会の男子200メートル個人メドレーの決勝で、結果は6位と3回目のオリンピックで初めてメダルを手にすることはできませんでしたが、レース後、同じ1994年生まれのライバル瀬戸大也選手と抱き合い健闘をたたえ合いました。