文化功労者の作品 オークションに コロナ禍の文化芸術を支援

新型コロナウイルスの影響を受けている文化芸術団体などを支援しようと、文化功労者が寄付した作品などを集めたチャリティーオークションが22日に行われることになりました。

チャリティーオークションは文化庁などの呼びかけで実施されることになり、文化功労者など27人が出品に協力しました。

この中には、いずれも漫画家のちばてつやさんや萩尾望都さんがそれぞれ寄せたサイン入り色紙やイラスト、それにデザイナーのコシノジュンコさんが描いた絵画などが含まれています。

文化庁によりますと、オークションの売り上げは新型コロナの影響で公演や催しの中止が相次いでいる文化芸術団体などの支援のために創設された「文化芸術復興創造基金」の資金に充てられるということです。

文化庁企画調整課の尾曲剛志専門官は「文化芸術の灯を絶やさないための仕組みの1つとして多くの皆さんに参加してほしい」と話しています。

チャリティーオークションは22日午後6時から開催されるほかのオークションと併せて実施されます。

黒柳徹子さん「何かのお役に立てれば」

今回のチャリティーオークションに作品などを寄せた人たちは、出品にあたってみずからの思いを込めたメッセージも添えています。

このうち、サイン入りのCDを提供した作曲家の池辺晋一郎さんは「現下の理不尽な状況の中でも音楽で楽しんでいただけたら、と考えました」としています。

サイン入りの色紙を提供した女優の黒柳徹子さんは「私のサインでも、何かのお役に立てればうれしく思います」。

版画を提供した美術作家の高橋秀さんは「山のような形をしたモチーフに、日々新たに昇る朝陽を象徴的に描き出しました。オレンジの色は未来に向けて輝く祝福の色として、宇宙に広がる永遠の気を表すものです。この作品を見てくださる方に、日々の暮らしに勇気と元気を奮い出してほしいと大いなるエールを送りたいのです」とみずからの思いを伝えています。

『道化』というタイトルのエッチングの作品を提供した洋画家の馬越陽子さんは「道化とは内部に悲哀を秘めながら、観者も笑いをおくる。この事は人々に苦を忘れさせ、幸せをもたらす。今求められるメッセージです」として、文化芸術の大切さを訴えています。