コロナの後遺症 約2か月たっても “療養期間後も支援ほしい”

新型コロナウイルスの感染者が減り続ける一方で、後遺症とみられる症状で苦しむ人たちがいます。

療養期間が終わって2か月近くたつものの、頭痛などに悩まされているという20代の女性は、身の回りの家事や、手当の申請のための書類作成などができず、行政からの支援がほしいと訴えています。

療養期間後 後遺症の説明はなく

千葉市に住む24歳の女性は、今年8月中旬にのどの痛みを感じ、検査の結果、新型コロナウイルスへの感染が判明しました。

軽症と診断され、2週間自宅で療養しましたが、この間は保健所から毎日体調を確認する電話があり、不安はなかったといいます。

しかし、療養期間が終わったあとは、保健所からは「人に感染させることはなくなったので大丈夫」と言われただけで、後遺症については説明されず、一切、連絡もなくなったということです。

ところがその後、けん怠感や頭痛のほか、立っていられないほどの体の痛みが突然襲ってきて、職場に出勤することができなくなったほか、洗濯物を干すことも食事の準備もできなくなったということです。

当時の状況について、女性は「なんでこんなにつらいんだろうと最初は分からなかった。自分のやる気がないからかと落ち込みました」と話していました。

激しい頭痛で歩くことさえ難しいときも

女性は、友人に勧められて、感染確認から1か月余りがたった先月下旬になって病院の専門外来を訪れたところ、新型コロナウイルスの後遺症だと診断されました。

肺機能が非常に低下し、免疫力も下がっていると指摘されましたが、体調不良の理由が分かり、ほっとしたといいます。

その後は、処方された薬を飲むことで症状は多少落ち着きましたが、引き続き激しい頭痛で歩くことさえ難しいときもあり、身の回りの家事をこなしたり、休職中の手当を申請する書類を作成したりすることが難しいということです。

「重症でなくても その後しんどい状態が続くことがあるのだと」

女性は、両親は離れて暮らしているうえ、病気療養中で助けを求められないことから、後遺症についての情報提供や、一人暮らしの場合などにはハウスキーパーを利用する助成や手続きのサポートなどの、行政からの継続的な支援が療養後もあれば、心強いと考えています。

女性は「家事などを1日だけでも手伝ってもらえると、本当に助かります。コロナが重症ではなくても、その後、ずっとしんどい状態が続くことがあるのだと気づきました。再び感染が増えてきたら、同じような状況に誰がなってもおかしくないと思います」と話していました。