熊本 阿蘇山で噴火発生 周辺の自治体や交通機関の状況は

熊本県の阿蘇山の中岳第一火口で20日午前11時43分に噴火が発生しました。噴煙が3500メートルの高さまで上がり、火砕流が火口から1キロ以上の場所に達したのが確認されました。

阿蘇山周辺の自治体や交通機関の状況などについてまとめています。

登山者16人の下山確認 けがなし

熊本県によりますと20日、阿蘇山に登山届を出して登山していた11人を含めた、16人の下山を確認したということです。全員、けがはないということです。
このほかに不明者などの情報もないということです。

自治体や警察など 人的被害なし(20日夕方)

自治体と警察署、それに消防などでつくる協議会によりますと、20日夕方までに今回の噴火による人的被害は確認されていないということです。

「中岳第一火口」から2キロの範囲 立ち入り規制

阿蘇山で、噴火警戒レベルが「入山規制」を示す3に引き上げられたことを受けて、自治体や警察などでつくられた「阿蘇火山防災会議協議会」は「中岳第一火口」から2キロの範囲で立ち入りを規制することにしました。

火口の西側にあるレストランの従業員は「火口から噴煙が上っているのが見えるが、風向きの影響で西側には灰は降っていない。店は定休日で客はいないが、店の外を見るかぎりは落ち着いている様子です。今後の情報に注意しています」と話していました。

火口から西に3キロほど離れた阿蘇火山博物館にいた、草千里観光開発の菊池秀一社長は「噴火した時はいつもと違い、黒い噴煙が勢いよく上がっていました。雷のようなゴロゴロという音も聞こえ、当時風下側ではなかったが、真っ黒な噴煙がこちらに向かってくるようにも感じました。建物の外には観光客もいたが、博物館から建物の中に避難するよう放送で呼びかけると、皆さん冷静に避難していました。噴煙や噴石も今のところこちらには流れてきていないので、特にけがをした人もいないようです。火口の近くには警察が規制線をひいて近づけないようになっていて、様子を見守っています」と話していました。

火口からおよそ4キロ離れたところにある「国立阿蘇青少年交流の家」の古庄宏光さんは「ドンという大きな音がしたので、驚いて外に出てみたら、黒煙が上がっていた。以前の噴火では噴石が建物に落ちてきたが、今のところそういった被害は出ていません」と話していました。

熊本 高森町 火山灰が断続的に降り続く

熊本県高森町の職員によりますと、阿蘇山の火口の南およそ8キロにある町役場では、噴火に伴う爆発音などは聞こえなかったということですが、正午すぎから火山灰が断続的に降り続いているということです。
噴火警戒レベルが3に引き上げられたことから、町は阿蘇山への登山道を封鎖し、メールなどを通じて住民に注意を呼びかけています。これまでのところ町に被害やけが人の情報は入っていないということです。

高森町の教育委員会は、町内の小中学校に対して、状況に応じて各学校で安全管理を行うよう、口頭で指示したということです。
火口から南に10キロほど離れた高森中央小学校では、火山灰が降ってきたため、校舎のすべての窓を閉めて、授業は通常どおり行っているということです。
児童には昼休みは外に出ないよう指示し、午後の体育の授業は体育館で行うということです。

また熊本県立高森高校でも、午後は通常どおり授業を行います。午後0時半現在、火山灰が建物や車のボンネットなどにうっすらと積もっているというこことで、高森高校の教頭は「噴火の際、爆発音は聞こえませんでしたが、しばらくすると火山灰が降り始めました。コロナ禍で教室の換気もしなければいけませんが、窓を閉めて生徒たちには外に出ないよう呼びかけています。下校時には灰がかなり積もっていることも予想されるので、転倒などに注意するよう呼びかけています」と話していました。

阿蘇山の火口から南東に5キロほど離れた高森町立色見保育園の職員によりますと、阿蘇山が噴火したあと、火山灰がうっすら屋根や園庭に降り積もっているということです。
園には園児22人がいますが、建物の中で給食を食べていたところで、窓を閉めて火山灰が建物の中に入らないようにしているということです。
このあとの対応は町からの連絡を受けて判断するということです。

高森町のキャベツ農家「出荷できないかも」

高森町のキャベツ畑では、出荷を控えたキャベツに灰が降りました。
キャベツ農家の80代の女性は「過去の噴火と比べて火山灰の粒が大きい。雨が強く降れば灰が落ちるかもしれないが、そうでなければ出荷できないかもしれない」と心配そうに話していました。

熊本 南阿蘇村「ここ3、4年でいちばん高い噴煙」

阿蘇中岳第1火口の南西にある南阿蘇村役場では、防災担当の職員が情報収集にあたっていますが、正午時点で被害の情報は入っていないということです。
職員は「熊本地震があった5年前に大きな噴火がありましたが、ここ3、4年でいちばん高い噴煙が上がっている様子が確認できます」と話していました。

中岳第一火口の南西に位置する南阿蘇村の長野地区に住む、北里かおりさんは「曇り空なので、しっかり確認はできませんが、火口辺りの煙が入道雲のように上がっているように見えて、ここ最近でいちばんの高さだと思います。火山灰による農作物への被害や観光への風評被害など影響が広がらないか心配です」と話していました。

熊本 阿蘇市 “被害なし 情報収集にあたる”

阿蘇中岳第1火口からおよそ8キロ離れた阿蘇市役所では、政策防災課の職員など10人余りが情報の収集にあたっています。
市役所によりますと、午前11時55分現在、被害の情報は入っていないということです。

宮崎 高千穂町の小学校に火山灰のようなもの

阿蘇山から南東におよそ20キロ離れた、宮崎県高千穂町にある田原小学校の教頭によりますと、小学校の駐車場に止まっていた車の上などに火山灰のようなものがごく少量、確認できるということです。
学校では噴火した当時、音がしたり振動を感じたりすることはなかったということです。

交通機関は平常どおり

国土交通省の熊本空港事務所によりますと、これまでのところ、空の便に阿蘇山の噴火の影響は特になく、通常どおり運航しているということです。引き続き、灰の降り方などを確認しているということです。

南阿蘇村と高森町を結ぶ南阿蘇鉄道は、これまでのところ噴火の影響はなく、通常どおり運転しています。