首相 拉致被害者家族と就任後初面会 解決に向け全力で取り組む

岸田総理大臣は、北朝鮮による拉致被害者の家族と就任後初めて面会し、みずからの内閣でも拉致問題は最重要課題だとしたうえで、あらゆるチャンスを逃すことなく、解決に向けて全力で取り組む決意を伝えました。

岸田総理大臣は18日夕方、総理大臣官邸で就任後初めて、拉致被害者の家族会代表の飯塚繁雄さんや横田早紀江さんらと面会しました。
この中で、岸田総理大臣は「今なお多くの拉致被害者の方々が北朝鮮に取り残されたままであり、改めて心からおわびをしなければならない。私の内閣でも変わらず拉致問題は最重要課題だ」と述べました。

そのうえで、就任以降アメリカのバイデン大統領や中国の習近平国家主席らと電話会談を行い、拉致問題の解決に向けて協力を求めたと説明しました。

そして「すべての被害者の1日も早い帰国の実現に向けて、条件を付けずにキム・ジョンウン(金正恩)総書記と直接向き合う決意だ。関係国との連携の中で、あらゆるチャンスをものにしなければいけない」と述べ、解決に向けて全力で取り組む決意を伝えました。

これに対し、飯塚さんは「活動を始めてから、今まで数え切れないほど総理大臣がかわってきたが、全く動きが見られず非常に残念だ。私たちは諦められない。諸外国の力も借りながら、具体的に工程表を組んでほしい」と述べました。

また、横田さんは「日本の強い姿勢をはっきりと表し、解決に向けて頑張ってほしい。私たちも、どこまでいけるか分からない状態なので、元気な間に喜びを渡していただければうれしく思う」と述べました。

拉致被害者家族 具体的な取り組み求める

北朝鮮による拉致被害者の家族は岸田総理大臣と面会したあと記者会見し、すべての被害者の一刻も早い帰国に向けて、具体的な取り組みを求めたことを明らかにしました。

この中で、家族会の代表で田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さん(83)は、「『拉致問題に取り組む』と言うだけではなく、いつまでに何をするのかという具体的な計画のもとに進めてほしい。体が言うことをきかなくなっているが、諦めることはできないので闘っていきたい」と話しました。

横田めぐみさんの母親の早紀江さん(85)は「私たちはあまりにも長い年月、本当のことが何も分からない状態が続いています。岸田総理には、私たちが具体的な確信と希望を持って歩めるように、日朝首脳会談を開いて日本の思いを伝えてほしいとお願いしました」と話していました。
松木薫さんの姉の斉藤文代さん(76)は「私たちは本当に家族に会いたい。私の命もいつまでもつかわからないので、岸田総理にはどうか、しっかりと頑張ってほしい」と話しました。

市川修一さんの兄の健一さん(76)は「私たち家族も高齢になり、本当に時間がない。親が亡くなり、きょうだいだけになってしまった人も多く、そのきょうだいも亡くなってしまえば、被害者が帰ってきたときにどんなに悲しむか。一刻も早く救出していただき、私たちが健在なうちに再会させてほしいと強く願っています」と話しました。

増元るみ子さんの弟の照明さん(66)は「5人の被害者が帰国して以降の19年間、残念ながら日本は何も前に進んでいない。『アメリカの出方を見極める』というひと事のようなことではなく、覚悟をもって取り組んでほしい」と話しました。

横田めぐみさんの弟の拓也さん(53)は「この問題は首脳どうしでしか解決できない。北朝鮮に対して強く交渉するとともに、この問題を解決すれば、日朝双方が明るく平和な未来を描けるということを、岸田総理から語ってほしい」と話しました。

田口八重子さんの長男の飯塚耕一郎さん(44)は「これまでの政権が拉致問題の解決を『最優先』と掲げてきたにもかかわらず、解決に至っていないのは『0点』と言わざるをえない。北朝鮮との合同調査の実施や、連絡事務所の設置、また、一部の被害者だけを帰国させるような段階的な進め方ではなく、すべての被害者の即時一括帰国こそを私たちは求めていると、岸田総理に伝えました」と話していました。