ワクチン接種で65万人感染回避と推定 京大 西浦教授ら試算

新型コロナウイルスのワクチンの接種が進んだことで、ことし3月から9月にかけて全国でおよそ65万人が感染を免れたと推定されるという試算結果を京都大学の西浦博教授らのグループが公表しました。

この試算は今週、厚生労働省の専門家会合で西浦教授が示しました。

グループでは、ことし3月から9月にかけて報告された新型コロナウイルスの感染者を分析することでワクチンの接種で感染のリスクがどれだけ下がったかを計算し、それに基づいて仮にワクチンが無かった場合の感染者数を試算しました。

その結果、▼仮にワクチンが無かった場合はこの期間中の感染者数は179万2153人に上ったと推定されるということで、▼実際の感染者数、114万661人と比較して▽65万1492人がワクチンの接種によって感染を免れたと推定されるということです。
また、死者の数については、▼仮にワクチンが無かった場合の死者数は1万5554人と試算され、▽ワクチンによって7208人、減らすことができたと推定されるということです。

西浦教授「ワクチン普及 急いだ成果と評価」

西浦教授は「ワクチンによって感染や死亡を回避できた人が全国でかなりの数に上ることを初めて確認できた。ワクチンの普及を急いだ成果だと評価できる。ただ、まだ免疫を持っていない人も多くいるため、冬に向けて感染対策を進める必要がある」と話していました。