ファーストリテイリング決算 “巣ごもり消費”で過去最高益

ユニクロを展開するファーストリテイリングのことし8月までの1年間の決算は、新型コロナウイルスの影響で、いわゆる“巣ごもり消費”による自宅向けの衣料品の販売が好調で最終的な利益が過去最高となりました。

発表によりますと、ファーストリテイリングのことし8月までの1年間のグループ全体の決算は、売り上げが2兆1329億円で前の年度より6%増加しました。

これは、新型コロナの感染拡大に伴い自宅で過ごす時間が増える中、”巣ごもり消費”でカジュアルな衣料品の販売が好調だったことや経済活動の正常化が進む中国の売り上げが伸びたことなどが要因です。

この結果、最終的な利益は1698億円で、前の年度より88%増えて過去最高となりました。

今後の見通しについて柳井正会長兼社長は、会見で「コロナが終息したわけではなく不安定な状況は続く。ビジネスのグローバル化を一層進めていきたい」と述べました。

一方、サプライチェーンの中で、人権侵害が起きていないか企業の対応が問われていることについて、柳井会長兼社長は「すべての取り引き先に国際機関の基準に沿った対応を求めてきた」と述べたうえで、ことし7月に、原材料となる綿花の農家などを自社で確認するための専門のチームを立ち上げたことを明らかにし、人権問題を重視する立場に変わりはないと強調しました。