IMF世界経済成長率見通し引き下げ 世界的な供給網の混乱理由に

IMF=国際通貨基金は、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにした世界的な供給網の混乱などを理由に、ことしの世界全体の経済成長率の見通しを5.9%と、3か月前に比べて0.1ポイント引き下げました。

IMFは12日、世界経済の最新の見通しを公表し、ことしの世界全体の成長率をプラス5.9%と、前回、3か月前に比べて0.1ポイント下方修正しました。

これは、変異ウイルスの影響や感染拡大をきっかけにした供給網の世界的な混乱が想定より長引いていることが主な理由です。

また、こうした混乱がアメリカなどで物価の著しい上昇につながっているとして、インフレ懸念が世界経済全体のリスクになっているとしています。

国や地域別では、これまで順調な回復を続けてきたアメリカが1.0ポイント下方修正され、6.0%となりました。

また、中国は公共投資の縮小を背景に0.1ポイント下方修正され、8.0%となったほか、日本も緊急事態宣言の長期化などを受けて0.4ポイント引き下げられ、2.4%となりました。

一方、ユーロ圏はフランスやイタリアの回復が順調だとして0.4ポイント上方修正され、5.0%となりました。

来年の世界全体の成長率の見通しは4.9%と、前回の見通しを据え置きました。