岸田首相 富裕層の金融所得への課税 “当面見直し考えず”

岸田総理大臣は、先の自民党総裁選挙で言及した、富裕層の金融所得への課税の在り方について、民間企業の従業員の賃金引き上げなどに優先して取り組む必要があるとして、当面、見直しは考えていないという認識を示しました。

岸田総理大臣は、フジテレビの番組「日曜報道 THE PRIME」に出演し、先の自民党総裁選挙で言及した、富裕層の金融所得への課税の在り方について「成長の果実を分配するためには、いろいろなことをやっていかなければいけない。その選択肢のひとつとして『金融所得課税』の問題も挙げた」と述べました。

そのうえで「民間企業の従業員の給料の引き上げを考え、看護・介護・保育といった、国が主導して決められる賃金も引き上げていく。こういったことが先で、当面は『金融所得課税』について触ることは考えていない」と述べ、当面、見直しは考えていないという認識を示しました。

また、新型コロナウイルスの影響の長期化を受け、公明党が18歳までの子どもを対象に1人当たり一律10万円相当の支援を行うとしていることについて、岸田総理大臣は「困っている人に現金を支給する点では、一致できていると思う」と述べました。

そのうえで「去年も支給を行ったが『時間がかかった』とか『混乱した』とか、いろんな指摘があった。その反省をもとに『プッシュ型』で迅速に支給するためには、どういった形がいいのか、与党としてしっかり詰めたうえで具体的な形を判断したい」と述べました。

立民 枝野代表「結局 自分の意志を何も貫けない政権」

岸田総理大臣が先に言及していた富裕層の金融所得への課税の見直しは、当面、行わない考えを示したことについて、立憲民主党の枝野代表は、埼玉県東松山市で記者団に対し「結局、自分の意志を何も貫けない政権だということが、1週間もたたないうちに次々に示され、大変残念なことだ」と批判しました。

そして「本当に自民党が変わるのか変わらないのか、岸田氏から具体的に説明してもらえるような質問をしたい」と述べ、11日の代表質問で厳しくただす考えを示しました。

また枝野氏は、与党側が予算委員会の開催に応じないことについて「国民の一定の支持を得ている野党側の声も聞かずに『人の話を聞くのが得意だ』とはおっしゃらないでほしい」と述べました。