シンガポール ブレイクスルー感染拡大もロックダウンは行わず

新型コロナウイルスワクチンの接種を終えたあと感染が確認される、いわゆる「ブレイクスルー感染」も広がっているシンガポールで、リー・シェンロン首相はワクチン接種によって重症化は抑えられているとして、経済活動などの厳しい制限は行わず、新型コロナウイルスとの共存戦略を推進すると国民に呼びかけました。

シンガポールでは新型コロナウイルスワクチンの接種を終えた人が人口の83%に上っていますが、接種を終えたあと感染が確認されるいわゆる「ブレイクスルー感染」も広がり、政府はことし8月に緩和した行動制限を先月下旬から再び強化しています。

8日にはこれまでで最も多い3590人の感染が確認されましたが、リー・シェンロン首相は9日、テレビ演説を行い「感染者の98%以上は無症状か軽症者だ。新型コロナウイルスはもはや、われわれの多くにとって危険ではない」と述べ、接種によって重症化は抑えられていると強調しました。

そのうえで経済活動などを厳しく制限する、いわゆる「ロックダウン」は行わず「新型コロナウイルスとの共存戦略を推進しなければならない」と国民に呼びかけました。

新型コロナウイルスをめぐっては、感染拡大の防止と経済活動の維持をどう両立させるか、各国政府は難しいかじ取りを迫られています。