岸田首相 新たな経済対策策定と今年度補正予算案の編成を指示

新型コロナウイルス対策をめぐり、岸田総理大臣は8日の閣議で、人流抑制の影響を受けた人たちへの経済支援を実施する必要があるなどとして、関係閣僚に対し、新たな経済対策の策定と今年度の補正予算案の編成を指示しました。

この中で、岸田総理大臣は新型コロナウイルス対策をめぐり「足元で感染状況に落ち着きも見られるが楽観視はできない。来年春までを視野に、人流抑制などの影響を受けた人たちへの経済支援を実施する必要がある」と述べました。

そのうえで、新型コロナ対応に万全を期すとともに、成長と分配の好循環による「新しい資本主義」を起動させるため、新たな経済対策を策定する考えを示しました。

経済対策では、ワクチン接種や治療薬の普及を図るとともに、医療提供体制を確保し、厳しい状況にある人たちの事業や生活を支援するほか、電子的ワクチン接種証明書などを活用し、安全・安心を確保しながら社会経済活動の再開を図るとしています。

また、科学技術や地方の活性化、子育て支援などに予算や税制を大胆に重点化し、ことし夏の大雨による被害も踏まえ、防災・減災、国土強じん化を進めるとしています。

そして、岸田総理大臣は今月31日に投開票が行われる見通しとなった衆議院選挙のあと、速やかに経済対策を決定し、今年度の補正予算案を提出するとして、関係閣僚に対し、与党とも連携し具体的な検討を進めるよう指示しました。

山際経済再生相「数十兆円程度の規模感を頭に」

山際経済再生担当大臣は、記者会見で「岸田総理大臣から、衆議院選挙後、速やかに経済対策の具体的な中身を提示できるようにしてほしいと指示をいただいているので、そのスケジュール感で進もうと思っている」と述べました。

そのうえで、経済対策の規模について「ことし4月から6月のGDP=国内総生産の需給ギャップが22兆円で、7月から9月も、緊急事態宣言が出ていたのでおそらくへこむ。岸田総理大臣は、そのことも頭に入れたうえで、数十兆円程度と発言されたものと理解しており、それくらいの規模感というのは、みんなで頭の中に持っておかなければいけないと思っている」と述べました。

自民 世耕参院幹事長「25兆円くらいの規模感必要」

自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で「予備費も使い終わってきていて、ポストコロナなどを見据えながら、このタイミングで経済対策を策定するのは時宜にかなっている。GDP=国内総生産の需給ギャップを埋めるため、25兆円くらいの規模感は最低でも必要だろう」と述べました。