“2025年以降 中国が全面的な台湾侵攻の能力” 台湾 国防部長

台湾が設定した防空識別圏に進入する中国軍機の数が急増する中、台湾の邱国正国防部長は「2025年以降、中国が全面的な台湾侵攻の能力を持つ」と危機感を示し、抑止力の向上を急ぐ必要性を強調しました。

台湾が設定した防空識別圏に進入する中国軍機の数が今月に入って急増していて、5日までの5日間だけで、延べ150機に上っています。

こうした中、台湾の議会にあたる立法院で6日、答弁した邱国正国防部長は、台湾海峡の情勢について「私が軍に入ってからの、この40年間で今が最も厳しい」という認識を示しました。

一方、中国による台湾侵攻の可能性をめぐっては、侵攻によって得られる利益と損害の大きさを比較して、利益が上回った場合、実行に移す可能性が高まるとの見方が出ています。

これを念頭に、邱部長は「2025年以降、中国のコストと損害は最低限となり、全面的な台湾侵攻の能力を持つ」と危機感を示し、抑止力の向上を急ぐ必要性を強調しました。

台湾当局は、中国に対する抑止力として、射程の長いミサイルの量産などに取り組んでいて、来年から5年間で最大9500億円の特別予算を編成するための法案を立法院に提出しています。

この法案の説明資料では、中国が原子力潜水艦やミサイル駆逐艦を次々と配備しているなどと指摘したうえで「2025年以降、中国が台湾海峡周辺を封鎖する能力が日増しに整う」として、警戒を強めています。

蔡英文総統「中国に自制するよう警告する」

蔡英文総統は6日、みずからがトップを務める与党・民進党のオンライン会議に出席した際、台湾が設定する防空識別圏への中国軍機の進入が急増していることに言及しました。

蔡総統は一連の進入が「国際社会共通の関心事項になっている」としたうえで「中国のやり方は地域の平和と安定を著しく破壊している。不測の事態を避けるため、自制するよう警告する」と述べました。