小林経済安保相 “経済面から国民生活を守っていく”

初入閣した小林経済安全保障担当大臣は、5日11時前、東京・永田町の合同庁舎に初登庁し、記者団に対して「身の引き締まる思いのひと言に尽きる。日本を取り巻く環境は、内外ともに非常に厳しいので、経済面から国民生活を守っていく。当選3回ということでいろいろあるが、そういうことは気にすることなく、全力を尽くしてやっていきたい」と述べました。

国家戦略の根幹にあるのは安全保障

小林大臣は、閣議のあと就任後初めてとなる記者会見を開きました。

このなかで、小林大臣は、「国家戦略の根幹にあるのは、国民の暮らしを豊かにする経済と国を守っていく安全保障だ。経済と安全保障を車の両輪としてしっかり回していく」と抱負を述べました。

そのうえで、「経済安全保障は分野が多岐にわたり、さまざまな人との連携が必要だ。岸田内閣の新設ポストで経済安全保障担当大臣という職が設けられた以上、省庁含め、関係する人たちとしっかり連携して、進めていきたい」と述べ、経済界や学術界とも協力する考えを示しました。

さらに、アメリカと中国との対立の長期化や新型コロナウイルスの世界的な感染拡大などを背景に半導体のサプライチェーンの強じん化といった経済安全保障の重要性が増しているとして、小林大臣は「次期通常国会への法案の提出も視野に入れ、必要な対応を速やかに検討していきたい」と述べ、対応を急ぐ考えを示しました。

「経済安全保障」とは

「経済安全保障」は、先端技術の流出を防いだり、半導体など、国の産業にとって極めて重要な部品や原材料を安定的に調達する仕組み=サプライチェーンを強くしたりすることです。

米中の技術覇権争いに加え、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに世界的に半導体が品薄になるなどサプライチェーンのぜい弱さも顕在化し、各国が「経済安全保障」の一段の強化に乗り出しています。

アメリカは、半導体やEVに欠かせない蓄電池などのサプライチェーンの再構築を進める方針で、EU=ヨーロッパ連合も、重要な物資の域内での生産、調達を目指す政策を打ち出しています。

また、中国は国家主導で半導体の生産力の強化を図っています。

こうした中、日本政府もことしの「通商白書」で各国の経済安全保障強化の動きは「地殻変動とも言える大きなうねり」と表現しています。

世界的なデジタル化の加速や脱炭素社会を目指す機運の高まりもあって、日本としてもアメリカなど友好国と連携したサプライチェーンの構築が重要になっているほか、重要な技術については研究開発や設備投資を促し、国内での生産基盤を構築していくことが課題となっています。

自民党は、ことし5月、「経済安全保障戦略」を年内をめどに策定することや関連する法整備を求める提言を取りまとめていて、政府も経済安全保障を担当する大臣を新たに設け、抜本的に強化していく方針です。