台湾の防空識別圏に中国軍機の進入が急増 4日は延べ56機

台湾の国防部は4日、台湾が設定する防空識別圏に、中国軍の戦闘機など延べ56機が進入したと発表しました。中国軍機の進入は10月に入って急増していて、この4日間だけで延べ140機を超えています。

台湾の国防部によりますと、4日、台湾の南西沖に設定している防空識別圏に、中国軍の戦闘機や爆撃機など延べ56機が進入しました。

去年9月に国防部が今の形式で発表を始めて以来、一日に進入が確認された中国軍機としては最も多い数です。

中国軍機の進入は、中国の建国記念日にあたる今月1日の国慶節以降、急増していて、4日までの間だけで合わせて延べ149機に上っています。

10月1日と2日、それに4日は、日中だけでなく夜間にも主力戦闘機が多数進入しました。

中国軍の動向に詳しい専門家の掲仲氏は「主力戦闘機の配備数が増え、複数の部隊が合同で作戦を行う能力やパイロットの夜間飛行の技量が上がっていることがうかがえる」と分析しています。

中国軍による連日の大規模な進入について、台湾で対中国政策を担当する大陸委員会は4日夜「台湾海峡の平和と安定を著しく損ない、地域の緊張を高めるもので、厳重に抗議する。非平和的で無責任な挑発行為を直ちにやめるよう、北京当局に求める」というコメントを発表しました。

中国「台湾は中国の台湾 アメリカに口出しされる筋合いない」

台湾が設定する防空識別圏に進入する中国軍機が増える中、アメリカ国務省の報道官が3日、中国に対し、台湾への圧力をかけないよう求める声明を発表したことについて、中国外務省の華春瑩報道官は4日にコメントを発表し「台湾は中国の台湾であり、アメリカに口出しされる筋合いはない」と強く反発しました。

そのうえで、アメリカのバイデン政権が台湾に対して日本円でおよそ820億円に上る武器を売却することを決めたり、アメリカ軍の艦船が台湾海峡を頻繁に通過していたりしているなどと指摘し「こうした挑発行為は、中国とアメリカの関係を損ない、地域の平和と安定を壊すものであり、中国は断固反対し、必要な対抗措置をとる」と強調しています。

華報道官のコメントは、一連の中国軍機の進入がアメリカの台湾接近への対抗措置であることを示唆した形です。

米 ホワイトハウス報道官「台湾に圧力かけないよう求める」

ホワイトハウスのサキ報道官は、4日の記者会見で「中国による台湾周辺での挑発的な軍事行動は、地域の平和と安定を弱体化させるものであり、懸念している。中国政府には、台湾に対する軍事的、外交的、経済的な圧力をかけないよう求める」と述べ、中国側に対して台湾への圧力をかけないよう、高官レベルで求めていく考えを示しました。

松野官房長官「引き続き、関連動向を注視していきたい」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「台湾防空識別圏内での中国軍航空機による活動に関する台湾当局の発表などの動向は承知しているが、こうした動きの一つ一つについて、コメントすることは差し控えさせていただく」と述べました。

そのうえで「わが国としては、台湾をめぐる問題が、当事者間の直接の対話により、平和的に解決されることを期待するというのが、従来からの一貫した立場だ。政府として、引き続き、関連動向を注視していきたい」と述べました。