岸田氏が総理大臣に 国外の反応

自民党の岸田総裁は、4日午後、衆参両院の本会議で行われた総理大臣の指名選挙で、第100代の総理大臣に選出されました。
国外の反応をまとめました。

アメリカ政府元高官 “安定政権を維持できるか大きな関心”

アメリカのオバマ政権でアジア政策を担ったダニエル・ラッセル元国務次官補は、オバマ政権の時期に岸田氏が外務大臣を務めたことから、同じ民主党のバイデン政権内でも業績はよく知られており人脈もあると述べました。
そのうえで「岸田氏は引き続き日米同盟を外交政策の基軸とするとみられる。岸田氏の総理大臣選出はワシントンで歓迎されるだろう」と述べました。
一方でラッセル氏は「アメリカがもっとも懸念するのは、かつてのように総理大臣が1年ごとに替わる『回転扉』とも言われる状態になることだ。そこで生じる断絶は両国関係や同盟の強化を大きく妨げることになる」と述べて、バイデン政権は日本が安定した政権を維持し、外交や安全保障に注力できるかどうかに大きな関心を寄せていると指摘しました。
また、ラッセル氏は、アメリカが中国に対抗していく上で、台湾海峡などでの有事を想定した対応や重要技術の開発やサプライチェーンの構築を特に重視しており、こうした分野での日本との連携の強化を期待しているという認識を示しました。

韓国 ムン大統領 “互いに努力しよう”

韓国大統領府によりますと、ムン・ジェイン(文在寅)大統領は、岸田総理大臣に宛てて就任を祝う書簡を送り、日韓関係を未来志向的に発展させるため互いに努力しようと呼びかけたということです。
また大統領府の報道官は「ムン大統領は、両国が民主主義と市場経済という基本価値を共有する、地理的 文化的に最も近い国として、隣国らしい協力の見本を見せられるよう意思疎通を図っていくことを期待している」としています。

韓国メディアも速報

また、韓国メディアは、岸田氏が新たな総理大臣に選出されたことを相次いで速報するなど、高い関心を寄せています。
このうち、通信社の連合ニュースは「前の菅総理大臣は、韓国と一度も首脳会談を行わないなど、関係改善に消極的だったとされるだけに、岸田氏にかわること自体が肯定的に作用するとの声がある」と伝えています。
一方で「岸田政権も、歴史問題は韓国が解決策を示さなければならないという日本の従来の立場を取る可能性が高く、平行線をたどる場合には、関係改善は遠のくしかない」と分析しています。
また、韓国メディアは、新たな閣僚の顔ぶれも詳しく紹介していて、有力紙の中央日報は、電子版で、茂木外務大臣と岸防衛大臣が再任されたことについて「外交 安保政策は、変化よりも連続性や安定性に重きを置いたようだ。悪化した関係にすぐに大きな変化を期待するのは難しそうだ」と伝えています。

韓国 専門家「画期的な変化は難しいだろう」

日韓関係に詳しい韓国のクンミン(国民)大学のイ・ウォンドク(李元徳)教授が、NHKの取材に応じました。
この中でイ教授は、日韓関係の冷え込みは慰安婦問題と「徴用」をめぐる問題によるものだとしたうえで「岸田氏が自民党総裁選挙で示した立場を見ると、これまでの日本政府の立場とさほど変わらない。韓国政府や韓国国民の多くは、日本の総理大臣の交代が両国関係に与える影響は大きくなく、安倍・菅両政権の延長線上にあると捉えているのではないか」と指摘しました。
そして「日本側は『ボールは韓国側にある』としていて、問題解決には韓国側の政治決断が重要になってくるが、ムン大統領の任期中での画期的な変化は難しいだろう」と述べ、当面は日韓関係に目立った変化はないとする見方を示しました。
一方で、韓国では日本との関係改善を求める声が出ているとしたうえで、早期の日韓首脳会談の実現が必要だという考えを示しました。

台湾 蔡英文総統 日本語で祝意

台湾の蔡英文総統は「岸田文雄総理大臣および新内閣の誕生を心よりお祝い申し上げます。岸田新首相と一緒に、台湾と日本の友好関係をさらに深めていけるよう期待しています」などと、ツイッターに日本語で投稿し、祝意を表しました。

米 バイデン大統領「両国関係強化のために緊密に連携」

アメリカのバイデン大統領は4日、声明を発表し「日米同盟はインド太平洋地域と世界の平和と安全、そして繁栄の礎で、今後、岸田総理大臣と両国関係を強化するために緊密に連携していくことを楽しみにしている」と祝意を示しています。

そのうえで「2つの民主主義国家と国民の歴史的なパートナーシップは現代の課題に向き合っていく上で極めて重要な財産であり続ける」としています。

米 ブリンケン国務長官「心よりお祝い」

アメリカのブリンケン国務長官は4日、声明を発表し「心よりお祝い申し上げる。岸田さんが外務大臣を務めていたとき、わたしは国務副長官として、ともに仕事をする機会があった。彼の友情と日米両国が共有する優先政策の前進に向けた取り組みに感謝している」としています。

一方、退任した菅前総理大臣に対しては「不朽の日米同盟の強化と両国の協力の発展に力を尽くしてくれたことに感謝している」としています。

そのうえで「われわれのパートナーシップは、自由で民主的な国家が協力すれば、自由で開かれたルールに基づいた国際秩序を守り、そして強化しながら、新型コロナウイルスや気候危機のような地球規模の脅威に立ち向かうことができることを示している」としています。

中国 習近平国家主席と李克強首相が岸田首相に祝電

中国国営の新華社通信によりますと、習近平国家主席は4日、岸田総理大臣に祝電を送り「中国と日本は一衣帯水の隣国であり、友好的な協力関係の発展が両国の利益に合致し、アジアと世界の平和と安定、繁栄に寄与する。両国は対話と意思疎通を強化し、相互信頼と協力を増やし、新時代にあった関係の構築に向けて努力すべきだ」と伝えたということです。

また、李克強首相も岸田総理大臣に祝電を送り「両国は交流と協力を強化し、正しい方向に向かって健全で安定的に関係を発展させ、国交正常化50年となる来年を迎えるべきだ」と伝えたということです。

ロシア プーチン大統領「対話をし ともに取り組むことに関心」

ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は4日、岸田総理大臣に祝電を送りました。

このなかでプーチン大統領は「ロシアと日本の協力が様々な分野で建設的に発展することは、間違いなく両国の国民の基本的な利益にかなう。両国や地域、そして国際的に重要な課題について、対話をし、ともに取り組んでいくことに関心があることを確認したい」としています。

英 ジョンソン首相「共通課題で引き続き協力を強化」

イギリスのジョンソン首相は、ツイッターに日本語で投稿し、岸田総理大臣に祝意を示しました。

この中でジョンソン首相は「日本は英国にとって最も緊密な戦略的パートナー国の一つです。気候変動、防衛、貿易の促進など日英共通の優先課題において、引き続き協力を強化していくことを期待しております」としています。