自民党新総裁 岸田氏 どんな人?政策は?

自民党総裁選挙は、決選投票の結果、岸田前政務調査会長が河野規制改革担当大臣をおさえて新しい総裁に選出されました。

岸田文雄氏は、衆議院広島1区選出の当選9回で、64歳。(昭和32年7月29日生)。

総裁選挙は、去年の前回に続き、2回目の挑戦です。

同じ広島が地元の池田勇人元総理大臣によって創設されて以来、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一と、4人の総理大臣を輩出した派閥、「宏池会」を率いています。

祖父と父も衆議院議員の政治家一家に育ち、大学卒業後は、旧長銀=日本長期信用銀行に入りました。

その後、父親の秘書を経て、平成5年の衆議院選挙で初当選しました。

平成19年には、第1次安倍改造内閣で沖縄・北方担当大臣として初入閣しました。

自民党が野党転落後には党の国会対策委員長を務めました。

第2次安倍政権発足後は、4年半余りにわたって外務大臣を務めました。連続の在任期間では戦後最長で、この間、当時のアメリカのオバマ大統領の被爆地・広島への訪問実現や、慰安婦問題をめぐる日韓合意などに尽力しました。

平成29年には、党の政務調査会長に就任。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、事業者の賃料負担を軽減する新たな給付金の創設などに取り組みました。

かねてから総理大臣を目指し、良好な関係を保ってきた安倍前総理大臣からの後継指名に活路を見いだす戦略をとってきましたが、安倍氏辞任に伴う去年の総裁選挙では菅総理大臣に敗れ、要職から外れました。

8月下旬に立候補を表明した際には、心に残った国民の声を書き留めてきたというノートを紹介し、みずからの「聞く力」をアピールしました。

座右の銘は「春風接人」(しゅんぷうせつじん)。「春風のような優しさで人と接する」という意味のとおり柔らかい語り口や誠実な人柄は誰もが認める一方、「真面目すぎる」との声も聞かれます。

一方で、政界随一の酒豪としても知られています。外務大臣時代にはロシアのラブロフ外相とウォッカを酌み交わし、互角に渡り合ったというエピソードもあります。

プロ野球は、地元広島カープのファンで好きな食べ物はお好み焼きだということです。

岸田氏の経済財政政策は

岸田氏は、アベノミクスを評価しつつ、みずからの経済政策について、新自由主義的な政策からの転換を掲げました。

規制緩和や構造改革などを進める新自由主義的な政策は、経済成長をもたらしたものの、経済的な格差を生んだとして、成長と分配の好循環による「新しい日本型資本主義を創る」と訴えてきました。

具体的には、
▽科学技術の分野で競争力を高めるため、10兆円規模の基金の設立や、
▽経済安全保障の担当大臣を設けて、半導体などへの投資の強化、
▽それに、高速・大容量の「5G」の通信網を各地に早期に整備するなど地方のデジタル化を促進するなどとしています。

また、「令和版所得倍増」を掲げて分厚い中間層の復活を目指すとして、
▽企業に賃上げを促すための税制措置や、
▽子育て世代の負担軽減のため住居費や教育費への支援の強化、
▽さらに、医療や介護、保育といった現場で働く人たちの報酬の引き上げに向けた委員会の設置などに取り組むとしています。

19日、NHKの日曜討論に出演した際に岸田氏は、「利益や効率だけではない新しい日本型の資本主義を進めたい。成長の果実をしっかり分配し、広く所得を引き上げていくことを考えていかなければならない」と述べました。

また、新型コロナウイルスの経済対策としては、打撃を受けた企業や個人を支援するため、業種や地域を限定せずに事業規模に応じて家賃などを支援することを含め、数十兆円規模の対策を早急に取りまとめる必要があるなどとしています。

このため、当面は、積極的な財政出動で景気を下支えしていく考えを示しています。

一方で、悪化が続く日本の財政状況について、23日に行われた政策討論会では、「財政は国の評価の礎なので、日本の信頼が失われると海外から厳しく批判され、財政が混乱してしまう。財政安定化に向けてどういう考えを持っているのかを示すことが大切だ」と述べ、政府として財政再建の取り組みを明確にすることの必要性に言及しています。