西村大臣 プロ野球関係者などと会談 制限緩和に向け調整へ

新型コロナウイルス対策をめぐり西村経済再生担当大臣はプロ野球やJリーグの関係者と会談し、ワクチンを接種した人などを対象にした制限の緩和に向け、円滑な検査の実施や感染者の有無を調べる方法などについて調整を進める考えを示しました。

政府は日常生活の回復に向けて、ワクチンを接種した人や検査で陰性が確認された人は飲食店の利用や県をまたぐ移動などの制限を緩和していく方針です。

これを前に西村経済再生担当大臣は27日午前、プロ野球やJリーグの関係者と会談し「今月23日時点でワクチンの2回の接種を終えた人がおよそ56%となり、来月中頃には順調にいけば現在のイギリスやフランスと同程度の60%台半ばになる。ワクチンの接種証明や検査の陰性証明を組み合わせ、感染拡大防止と日常生活の両立を図ることにしている」と述べました。

そのうえで制限の緩和に向けて
▽コストの負担の在り方や
▽現場でどのように円滑に検査を実施するのか
さらに
▽イベント後の感染者の有無をQRコードを活用して調べる方法などについて
事業者側と調整を進める考えを示しました。

NPB 井原事務局長「技術実証の経験を」

NPB=日本野球機構の井原敦事務局長は会談のあと記者団に対し「オペレーションに時間がかかると入場に時間がかかって、お客様にご迷惑をかけるし密の状態になることもあるので、技術実証の経験を踏まないとなかなか難しいと思う。体質的にワクチン接種を受けられない方や、まだ接種ができないお子さんがいる家族連れの場合、どのように入場していただくのかも、これから検討していくと思う」と述べました。

そのうえで制限の緩和に向けた実証の実施時期について「雨で流れた試合が最後のほうで組まれることがあるので、その試合だったり、クライマックスシリーズや日本シリーズのチケット販売は11月なので、それまでにしっかりとした計画が立てられればできるかなと思う」と述べました。

Jリーグ 村井チェアマン「可能なら来月1日から実証開始」

Jリーグの村井満チェアマンは会談のあと記者団に対し「『ワクチン接種証明や検査の陰性証明がある方にシートをプラスアルファで用意する』という考え方を話した。例えば大きなスタジアムではワクチン接種シートを1万人分用意し全体で2万人にするとか、小さなところは1000人や2000人かもしれない。状況とスタジアムの位置づけ、オペレーションの可能性を加味して決めたい」と述べました。

そのうえで制限の緩和に向けた実証の実施時期について「可能であれば、来月1日からスタートしたい」と述べました。

また、コストについては「ゲートの設置や確認など人的にも施設的にもコストは上がってくるが、お客様に安心してスタジアムに来ていただくためのコストなので、われわれが負担するのが前提だ」と述べました。

西村経済再生相 午後は音楽・舞台芸術関係者と意見交換

西村大臣は午後は音楽や舞台芸術の関係者と意見を交わし「エンターテインメントの世界には若い人も多くいる。ワクチン接種を呼びかけていくよい機会でもあるので『ワクチン・検査パッケージ』を進めると同時にワクチン接種の奨励も行っていただければと考えている」と述べました。

これに対し、音楽関係の団体の代表者は「感染者数が減ってきたとはいえ音楽関係は不要不急のジャンルに押し込められ、なかなか再開が難しい。どのような形でどういうことをやれば再開に向けてキャパシティーを増やし、いろいろなことが可能になるのかという話し合いの場になればいいと思う」と述べました。

また、舞台芸術の関係者は「大変、危機にひんしており、経済的な支援をいただきながらこれから先の出口を見定めている。現実的な問題も含め具体的な施策について検討したい」と述べました。

協会 中西会長「実証はライブでも10月ぐらいに」

「コンサートプロモーターズ協会」の中西健夫会長は意見交換のあと記者団に対し「経済を動かしていくとともにエンターテインメント界の再開に向けて、お互い協力できるところは協力しあってやっていきたい。ただ、接種証明のデジタル化がいつになるのかなどといった具体的な話はできていないので今後、詰めていかなければいけない」と述べました。

そのうえで「実証については、ライブでも10月ぐらいにいくつかやる予定はある。具体的にどこで、何をやるかは言えないが、アリーナクラスの大きい会場で実験をしたいと思っている」と述べました。