鉄道業界 最新技術で点検や保守効率化 収益悪化や人手不足で

新型コロナウイルスの影響による収益の悪化に加え、人手不足に直面する鉄道業界では、作業員が担ってきた路線の点検や保守の業務に最新技術を取り入れることで効率化を図ろうという動きが広がっています。

このうち、トンネルの点検に新たな技術を導入したのは、関東の私鉄大手の東急電鉄です。

専用の車両からトンネルの壁にレーザーを当てて、ひび割れやその兆候がないかなどを詳しく調べます。

車両には高精細の8Kのカメラも搭載されていて、異常を検知した場合は、作業員が現場に行かなくても画像を見ながら補修の必要性などを判断できるということです。

東急電鉄施設保全課の白田英明さんは「通常の点検だと、作業員が毎晩10人程度必要でした。利用客に安全なサービスを続けていくためにも、固定概念を払拭(ふっしょく)して取り組みたい」と話していました。

一方、JR西日本は、今月から路線の保守の業務に、ロボットアームを取り付けた最新の車両を活用しています。

架線の部品を自動で交換できるようになり、作業に必要な人員をおよそ4割減らせるということです。

鉄道業界は、新型コロナの影響による収益の悪化に加え、人手不足にどう対応するかが共通の課題になっていて、最新技術を取り入れることで作業の効率化を図ろうという動きが広がっています。