コロナ禍の貧困をテーマに討議“社会全体の支えが重要”と訴え

「コロナ禍の貧困」にどう対応すべきか話し合うシンポジウムがオンラインで開かれ、参加者からは「コロナ禍で誰もが影響を受ける中、社会全体で暮らしを支えることが重要だ」などと訴える声が上がりました。

シンポジウムは東京 新宿区を拠点に活動するNPO「もやい」が開き、理事長の大西連さんやライターの望月優大さん、それに、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんがオンラインで意見を交わしました。

この中で望月さんは「コロナ禍では誰もが影響を受け、貧困を自己責任だと言えない状況だ。失業などを個人のせいにしても得られるものはなく、社会全体で暮らしを支えることが重要だ」と訴えました。

安田さんは「貧困問題は今、見えづらくなっている。ネットカフェ難民もいれば、トランクルームで生活する人もいる。一つの支援活動では支えられず、食料や住居の確保など多角的な支援が重要だ」と指摘しました。

「もやい」は毎週、土曜日に都庁前で食料配布などを行っていますが、25日に集まった人は394人と過去最多で、若い人や女性の姿も目立ったということです。

シンポジウムのあと「もやい」の大西理事長は「コロナ禍で貧困問題に関心が集まっている。これからは誰もが公的な支援を受けられる仕組みを作ることが重要だ」と話していました。