新型コロナ ペットや飼い主の感染対策考えるオンライン講演会

動物愛護週間に合わせ、ペットや飼い主の感染対策について考えるオンライン講演会が開かれました。

これは25日、環境省などが開いたもので、国立感染症研究所の前田健 獣医科学部長が講演し、オンラインで配信されました。

前田部長らの国内の研究で、新型コロナウイルスが人から犬や猫などのペットに感染したと考えられる事例がわずかながらあったこと、その多くは無症状だったことが報告されました。

そのうえで、飼い主が感染した場合はペットとの接触をできるだけ避け、接する場合はマスクをしたりケージを使って距離をとったりすることが大切だと説明していました。

前田健 獣医科学部長は「飼い主は自分が感染し、ペットの世話ができなくなった場合に備えて知人など預けられる先を考えておくことが必要だ。ペットから人への感染例は世界でも報告がないが、ペットをシャンプーしてから預けることや、預かった側は一定期間は個室で対応するなど感染対策をするとより安心だ」と話していました。

ペットの預け先が見つからず訪問看護師が世話

ペットの預け先が見つからず、入院をためらう人もいます。

自宅療養者に対応している訪問看護師によりますと、今月上旬、千葉県内に住む50代の男性は新型コロナウイルスに感染し入院が必要な状態でしたが飼っている犬の預け先が見つからないとして自宅にとどまりました。

その後、血液中の酸素飽和度が89%とさらに悪化したことから、看護師は代わりに犬の世話をするので入院するよう提案。

感染確認から2週間近くして男性はようやく入院しました。

看護師は男性が退院するまでの間、1日1回、男性の自宅を訪れボランティアで餌やりや排せつ後の掃除を行ったということです。

飼い主の男性は「自宅療養中は息が苦しくて死ぬかもしれないと思いましたが、入院を我慢していました。8年も一緒に暮らしている大事なパートナーです。保健所に相談しても預け先は自分で探すよう言われ、感染しているので外に出てペットホテルに連れて行くわけにもいかず、どうしたらいいかわかりませんでした」と話していました。

対応した訪問看護師の岩本大希さんは「ペットの世話をすることは訪問看護の仕事ではないが、入院できないことで回復が遅くなってしまってはいけないと、悩みながら対応しました。ペットに限らず、子どもがいたり介護をしていたりして入院をためらう人は多く対応策が必要だと思います」と話していました。

ペット同伴の宿泊療養施設や都の動物愛護センターでも

飼い主が感染し、入院が必要になるなどしてペットの世話ができない場合、どうすればいいのでしょうか。

環境省などはまずは家族や知人など、預かってもらえる人を探してほしいとしています。

難しい場合は、自治体や地域の獣医師会などに相談してほしいということです。

東京都では、ペットを同伴できる宿泊療養施設が都内に1か所用意されていて、去年10月の開設以降、今月17日までに444人がペットを伴って療養したということです。

また、飼い主が入院し預け先がどうしても見つからない場合は、都の動物愛護センターで一時預かりに応じていて、去年5月から今月22日までに158頭を預かったということです。

千葉県獣医師会では預かり先が見つからなかった場合の相談に応じていて、県内の動物病院などを紹介しています。

このほか、民間の預かりサービスなどもありますが、ペットを引き取りに来てくれるところはほとんどなく感染者以外の人が連れてくるよう求めています。

環境省などは「飼い主は自分が感染した場合を想定し事前の準備をしておいてほしい」と呼びかけています。